【為替本日の注目点】米6月のNFPは37.2万人の増加

6月の雇用統計の結果を受け、135円台後半で推移していたドル円は136円56銭まで上昇。その後やや売りに押され、136円手前で越週。ユーロドルもドル高の勢いから1.0116まで下落。連日売られ、直近安値を記録する。株式市場はまちまち。ダウは小幅に下げたが、ナスダックは小幅ながら5日続伸。債券は雇用統計の結果を受け売られた。長期金利は3%台に乗せ、3.08%で引ける。金と原油は続伸。
8月失業率 → 3.6%
8月非農業部門雇用者数 → 37.2万人
8月平均時給 (前月比) → 0.3%
8月平均時給 (前年比) → 5.1%
8月労働参加率 → 62.2%
5月消費者信用残高 → 22.347b
ドル/円 135.80 ~ 136.56
ユーロ/ドル 1.0116 ~ 1.0191
ユーロ/円 137.53 ~ 138.70
NYダウ -46.40 → 31,338.15ドル
GOLD +2.60 → 1,742.30ドル
WTI +2.06 → 104.79ドル
米10年国債 +0.086 → 3.080%
【本日の注目イベント】
日 黒田日銀総裁、挨拶
米 ウィリアムズ・NY連銀総裁、討論会に参加
先週末の「安倍元首相銃撃される」のニュースで列島に激震が走りました。為替市場ではリスク回避の円買いが進み、135円台後半から135円33銭近辺まで円高が進み、株式市場でも株価の下落が進む場面がありました。その後も「安倍氏死去」の報道がありましたが、海外市場ではその影響もほとんどなく、NYでは雇用統計を迎えました。
米労働市場では引き続き拡大が続き、6月の非農業部門雇用者数は「37.2万人」と、市場予想を大きく上回りました。失業率は予想通りで、賃金の方も前月比では市場予想と一致し、前年比は「5.1%」と、予想を上回っていました。好調な雇用統計を受け、今月のFOMCでは大幅な利上げが実施されるとの見方から、ドル円は135円台後半から136円56銭までドル高が進み、再び上昇傾向を見せています。アトランタ連銀のポスティック総裁は8日のCNBCとのインタビューで、「米経済の勢いが非常に強いことを踏まえると、次回会合で75ベーシスポイントで動くことは可能であり、広範な経済へのダメージが長引くことはないだろう」とコメントし、同幅の利上げを「完全に支持する」と述べました。また、ブラックロックのシニア・ポートフォリオマネージャーのローゼンバーグ氏も6月の雇用統計の結果を受けて、「7月会合での0.75ポイントの利上げを確実なものにする」と語っています。(ブルームバーグ)
昨日行われた参議院選挙では、自民党が圧勝し単独で過半数を超える議席を獲得しました。岸田首相は昨日のインタビューで「貯蓄から投資に振り向ける政策を検討する」と述べていました。今回の参院選を終え、しばらく国政選挙がないことから岸田政権が長期政権になるとの予想もあります。岸田氏が首相に就任してからは、自身が政策にかかわったわけではないものの、円安が進み、株価も低迷しています。新たに打ち出す政策如何では、円売り、株売りだけではなく国債も売られる「日本売り」の局面もないとは言えません。
ここは大胆な、かつ効果のある政策を望みたいものです。
再び136円台半ばまで上昇したドル円ですが、6月29日に記録した137円を抜けることができるかどうかが焦点の一つです。今朝早朝には136円台を割り込む場面もあり、136円台半ばから上方では高値警戒感もあり、これまでのように一気に抜ける状況でもないように思えます。一方、好調な雇用統計を受け労働市場の急速な悪化は見込めないといった雰囲気もあります。FRBは今後も大幅な利上げに突き進むしかなく、筆者も予想する今月の0.75ポイントの利上げの可能性が高まってきました。タカ派の予想では9月も大幅な利上げは避けられないといった予想も出始めていますが、「今月0.75ポイントの利上げを実施し、9月は、3月以降合計で2.25%の利上げを行ったその効果を見極める」といった見方が、現在の基本シナリオかと思います。
本日のドル円は135円40銭~136円90銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
6月の雇用統計の結果を受け、135円台後半で推移していたドル円は136円56銭まで上昇。その後やや売りに押され、136円手前で越週。ユーロドルもドル高の勢いから1.0116まで下落。連日売られ、直近安値を記録する。(イメージ写真提供:123RF)
economic,gaitameonline,gaitamedotinterview,fxExchange
2022-07-11 09:45