【為替本日の注目点】為替、日欧の金融政策を前に様子見

ドル円は138円を挟み小動き。日銀とECBの政策会合を見極めたいとする雰囲気が広がり値幅も50銭程度に収まる。ユーロドルは反落。ECBの利上げ幅が注目される中、イタリアの政局不安がユーロ売りにつながり、1.0156まで下落。株式市場は続伸。ダウは47ドル上昇。ハイテク株と消費財が上昇しナスダックは184ポイント高と大幅続伸。債券相場はほぼ横ばい。長期金利は3.02%台で変わらず。金は3日ぶりに反落。原油も在庫が増えていたことから下落。 6月中古住宅販売件数  → 512万戸  ドル/円    137.79 ~ 138.30 ユーロ/ドル  1.0156 ~ 1.0237 ユーロ/円   140.41 ~ 141.34 NYダウ   +47.79 → 31,874.84ドル GOLD   -10.50 → 1,700.20ドル WTI     -1.96 → 102.26ドル 米10年国債 +0.006 → 3.027% 【本日の注目イベント】 日   日銀金融政策決定会合 日   黒田日銀総裁記者会見 日   6月貿易統計 トルコ 中銀政策金利発表 欧   ECB政策金利発表 欧   ラガルド・ECB総裁記者会見 米   新規失業保険申請件数 米   7月フィラデルフィア連銀景況指数 米   6月景気先行総合指数 米   企業決算 → AT&T、ブラックストーン 為替市場は全体的に小動きでした。ドル円は138円を挟み一進一退の動きが続き、久しぶりに大きな値動きもなく静かな1日でした。本日、昼前後には日銀の金融政策決定会合の結果が発表され、夜にはECBの政策金利の発表があり、結果を見るまでは動きにくいといった状況です。日銀については、政策変更はない見通しですが、約24年ぶりとなる円安が進行しており、何らかの政策の修正があるかもしれませんが、その可能性は低いと思われます。午後3時半から恒例の黒田総裁の記者会見があります。これまでと同様に「粘り強く緩和策を続けていく」といったコメントが出ると、直ぐに円が売られる展開が続いてきましたが、今回も同じような動きになるのか注意したと思います。個人的には、足元ではジワジワと物価上昇が続く現状をどのように総括するのか。さらには、今後の物価見通しについてどのような見解を示すのかといった点に注目しています。 ECBは利上げ幅が焦点です。0.25ポイントになるのか、0.5ポイントになるのかが最大の注目点です。足下では0.5ポイントの利上げもあり得るとの見方が強まりユーロが買い戻され、一時パリティを割り込んだユーロドルも1.02台半ばまで上昇しました。昨日はイタリアの政局不安から再びユーロが売られましたが、ユーロショートの積上がりも高水準であることから再びパリティを割り込むかどうかも焦点の一つです。日足チャートでは「ドル高・ユーロ安」トレンドは鮮明で、昨年6月以降ローソク足は雲の上抜けを一度も見せていません。ただ比較的早いシグナルを発する「MACD」ではマイナス圏ですが、すでに「ゴールデンクロス」を示現しています。本日の会合で0.25ポイントの利上げであればユーロ売りで反応すると思われますが、これまでのように無条件で売っていくようなスタンスではないように思います。 ECBは難しい立場に立たされています。足元のインフレは米国に匹敵するほど進んでいるものの、0.75ポイントの利上げといった大胆な政策を行えない状況です。ロシアの影響をもろに受け、ドイツを中心に景気減速が鮮明になっているため、大幅利上げは景気をさらに押し下げてしまう可能性があるからです。大幅な景気悪化を避けたい一方、インフレを抑制し、ユーロ安を止めるためには利上げが必要といった、難しい選択を迫られています。 イギリスでは、ジョンソン首相の後任を選ぶ与党保守党の党首選は、トラス外相とスナク前財務相の一騎打ちとなりました。新しい党首は9月5日に決まる見込みですが、トラス外相は「インフレ抑制の成功例として日銀を見習うべきだ」と述べており、金融政策には詳しくないとの評価が出ています。そのイギリスの6月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比で「9.4%」と、米国を凌駕しています。「イギリスの最大のリスクはトラス氏の政策だ」といった声もあるようです。 本日のドル円は137円50銭~139円程度と予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は138円を挟み小動き。日銀とECBの政策会合を見極めたいとする雰囲気が広がり値幅も50銭程度に収まる。ユーロドルは反落。ECBの利上げ幅が注目される中、イタリアの政局不安がユーロ売りにつながり、(イメージ写真提供:123RF)
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2022-07-21 09:30