【為替本日の注目点】FOMCで0.75ポイントの追加利上げ決定

FOMCの政策発表後に行ったパウエル議長の会見直後、ドル円は137円45銭まで買われたがその後136円台半ばを下回って下落。議長発言で米長期金利が低下したことでドル売りに。ユーロドルは朝方から売り優勢で1.01を割り込む。政策金利引き上げ後は買い戻しが強まり1.02台まで急反発。株式市場は3指数が揃って大幅高。パウエル議長の「いずれ利上げペースを落とすことになる」との発言を手がかりに、ナスダックは4%を超える上昇。債券相場は上昇。長期金利は2.78%台へ低下。金と原油は反発。 6月耐久財受注       →  1.9% 6月中古住宅販売成約件数  →  -8.6% ドル/円    136.35 ~ 137.45 ユーロ/ドル  1.0097 ~ 1.0221 ユーロ/円   138.55 ~ 139.50 NYダウ  +436.05 → 32,197.59ドル GOLD    +1.40 → 1,719.10ドル WTI     +2.28 → 97.26ドル 米10年国債 -0.022 → 2.785% 【本日の注目イベント】 豪 6月小売売上高 豪 4-6月四半期輸入物価指数 独 7月消費者物価指数(速報値) 欧 ユーロ圏7月消費者信頼感指数(確定値) 欧 ユーロ圏7月景況感指数 米 4-6月GDP(速報値) 米 新規失業保険申請件数 米 イエレン財務長官、経済に関し記者会見 米 企業決算 → アップル、コムキャスト、マスターカード、インテル、アマゾン 注目のFOMCでは、予想通り0.75ポイントの利上げを決定しました。これで3月に0.25ポイントの利上げを決めてから4会合連続の利上げとなり、この間の利上げ幅は「2.5%」にもなります。米国の6月の消費者物価指数(CPI)は「9.1%」と、およそ40年半ぶりの高水準にまで上昇したことから、その後は1.0ポイントの利上げ観測も強まりましたが、結局、6月と同じ幅の0.75ポイントに落ち着いたようです。0.75ポイントであったら、ドル円は下がる可能性が高いと予想していた通り、発表直後は買われたドル円でしたが、136円35銭まで売られました。ここまではほぼ想定通りでした。しかし、その後のパウエル議長の会見ではよりタカ派な発言を予想していましたが、議長は「いずれ利上げペースを落とすことになる」と発言し、その上で明確なガイダンスを示すのではなく、政策は会合ごとに新たに設定されると説明し、これが株式市場に安心感を与え、主要3指数は揃って大幅高を演じました。特に金利上昇に弱いとされるナスダック指数は436ポイント上昇し、今年最大の上昇率を記録しています。 声明文では「支出と生産に関する最近の指標は軟化している。それでも雇用はこの数カ月、堅調に伸びており、失業率は低いままだ。インフレは高止まりし、それはパンデミックに関連した需給の不均衡と食品・エネルギー価格の上昇、より広範な価格圧力を反映している」とし、「委員会はより長期にわたって最大限の雇用と2%のインフレを達成することを目指す。金融政策の適切なスタンスを見極める上で、委員会は公衆衛生や労働市場の状況、インフレ圧力やインフレ期待を示す各指標のほか、金融・国際情勢など幅広く考慮して判断する」と明記されています。(ブルームバーグ)今回の0.75ポイントの利上げは全会一致で決まっています。 会合後の会見でパウエル議長は「次回の会合で異例に大幅な利上げをもう一度行うことも適切となり得るが、判断は今から次回会合までのデータ次第だ」と述べ、「いずれ利上げペースを落とすことになる」と説明し、「米経済がリセッションに陥っているとは考えていない」と述べています。今回のFOMCの決定とパウエル議長の会見は、今後もデータ次第では大幅な利上げの可能性を残しながらも、利上げペースが鈍化することにも言及し、市場の先行きに対する不安を和らげることに成功したように思えます。リスクオンが強まり、株価が上昇し、債券も買われ金利が低下しました。リスクオンになると低金利の円が売られるケースがこれまでにも多く見られましたが、昨日は金利低下により反応したようで、ドル円は下落しています。昨日も述べたように、「真夏の夜のラリー」を予想していた投資家にはやや肩すかしだったようです。 バイデン大統領は28日に中国の習近平主席とオンラインで会談する予定です。懸念されたコロナ感染は、26日の夜と27日の朝、簡易検査が行われ陰性が示されたようです。大統領は依然として多少の症状が残るものの「ほぼ完全に回復した」とホワイトハウスの医師は述べています。因みに治療にはファイザー製の経口薬「Paxlovid」(パキロビッド)が投与されたとのことです。また、中国が激しく反対しているペロシ下院議長の台湾訪問を巡っては、いまだその予定は公式日程にはないようです。ペロシ氏は8月初旬のアジア歴訪で日本やインドネシア、シンガポールなどを訪問する予定になっていますが、依然として日程からは外されているとのことです。米中首脳会談でもこの件が議題となることが予想され、どのような受け答えがあるのか、この辺りにも注意が必要です。 本日のドル円は135円50銭~137円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
FOMCの政策発表後に行ったパウエル議長の会見直後、ドル円は137円45銭まで買われたがその後136円台半ばを下回って下落。議長発言で米長期金利が低下したことでドル売りに。ユーロドルは朝方から売り優勢で1.01を割り込む。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-07-28 10:00