【為替本日の注目点】市場は米CPIの発表待ち

ドル円はCPI発表を控え小動き。135円を挟む展開から米長期金利の上昇を手掛かりに135円20銭まで買われた。ユーロドルは反発し、NYでは終始1.02台で推移。株式市場は3指数が揃って下落。マイクロンのネガティブな業績見通しが波及しハイテク株を中心に下げる。債券は反落。長期金利は2.77%台へと上昇。金は続伸し、原油は小幅に反落。 ドル/円    134.86 ~ 135.20 ユーロ/ドル   1.0203~ 1.0244 ユーロ/円   137.90 ~ 138.31 NYダウ   -58.13 → 32,774.41ドル GOLD    +7.10 → 1,812.30ドル WTI     -0.26 →90.50ドル 米10年国債 +0.020 → 2.777% 【本日の注目イベント】 豪   8月ウエストパック消費者信頼感指数 中   7月消費者物価指数 中   7月生産者物価指数 トルコ 7月消費者物価指数 独   7月消費者物価指数(改定値) 米   7月消費者物価指数 米   7月財政収支 米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演 米   カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演 ドナルド・トランプ氏が再びマスコミの注目を集めています。今回は、2024年の大統領選挙に関わる話題ではなく、FRB当局の捜査を受けたというものです。トランプ氏が大統領在任中に接した機密文書をホワイトハウスから持ち出した疑いがあるということで、同氏が保有するフロリダ州にある豪邸「マール・ア・ラーゴ」に家宅捜査が入りました。さらにトランプ氏には2021年1月6日の議会占拠事件にかかわる疑いや、脱税の疑惑もあるようで、今後はトランプ氏自身へ捜査の手が及ぶのかどうかが注目されています。トランプ氏は声明で、「フロリダ州パームビーチにあるマール・ア・ラーゴの私の素晴らしい自宅が現在、大人数のFBI捜査官に包囲されて捜索を受けており、占拠されている」と説明し、「24年の大統領選に私が出馬することを望まず、必死になっている民主党からの不当な扱いを受けている」と主張しています。(ブルームバーグ) 中国からの執拗な警告にもかかわらず台湾訪問を終えたペロシ下院議長も舌を滑らかにしています。ペロシ氏は、NBCの番組で自身の台湾訪問に対する中国の反応に米議会メンバーがひるむことはないとし、中国の習近平国家主席について、「おびえたいじめっ子のように振る舞っている」と述べています。また同氏は他の番組でも、「中国が議会のメンバーのスケジュールを管理することはできない」とし、「われわれは習氏による台湾の孤立化に加担するつもりはない」と言明しています。ただ今回のペロシ氏の訪台は中国にとっても「好機」で、「中国は、ペロシ氏の台湾訪問に反発して実施した一連の軍事演習を通じて、台湾の『新たな現状』を定着させることを目指した」と指摘する専門家の意見もあり、これを契機に「一つの中国」を一気に加速させる可能性もあるかもしれません。 今夜9時半には7月の米消費者物価指数(CPI)が発表されます。今回も前回と同様に非常に注目されています。FOMCで投票権を持つタカ派の代表格的存在であるセントルイス連銀のブラード総裁は9日、「インフレ上振れのサプライズが続くのであれば、米金融当局として高めの金利を長期にわたり維持する用意がある」と述べました。一方「インフレ率が鈍化しつつあるのなら、その間に金利を高めに維持することができると考えられる」と指摘しながらも、それをもって、「インフレ率がピークに達したと主張するには時期尚早だ」とコメントしています。7月のCPIは6月の「9.1%」からやや鈍化し、「8.7%」と予想されていますが、ブルームバーグは「クリーブランド連銀のインフレ指標は10日発表の7月のCPIが予想中央値の8.7%を上回り9%に近いことを示唆している」と伝えています。もしこのような結果が出たら、債券が売られ長期金利は急騰。先週末に発表された「完璧な雇用統計」の影響も残っており、ドル円は再び136円~138円をテストする可能性があると予想しますが、一方でNY連銀は前日、インフレ期待が急低下している点に触れ、消費者の期待インフレ率が低下していることで、金融当局の懸念を和らげる可能性があるとも指摘しています。(参照:8月9日付け今日のアナリストレポート) もっとも、結果は開けてみなければわかりません。わかっていることは、FRBがインフレ制御にやっきになっており、結果が予想通りだったとしても、それで直ぐに金融引き締めの手綱を緩めることはないということです。何度も述べているように、先ずはインフレがピークを打ったという「エビデンス」を手に入れることであって、少なくともそれまでは慎重姿勢を崩すことはないとみています。その意味では上記ブラード総裁の言葉がFRBの姿勢を象徴していると考えられます。 本日のドル円は134円~137円とワイドなレンジ予想となりますが、若干上値へのリスクの方が高いように思えますがどうでしょう。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円はCPI発表を控え小動き。135円を挟む展開から米長期金利の上昇を手掛かりに135円20銭まで買われた。ユーロドルは反発し、NYでは終始1.02台で推移。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-08-10 10:00