【上海IPO】危険廃棄物処理・リサイクルの上海叢麟環保科技が15日に公募開始、2661万株発行予定

上海証券取引所の科創板への上場を目指している、上海叢麟環保科技(688370/上海)が8月15日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2661万株を発行予定で、公募価格は59.76元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
同社は2017年設立の民営企業で、20年に株式会社化した。危険廃棄物の資源化利用、無害化処置を主業務とし、危険廃棄物の循環利用に取り組んでいる。上海地区における危険廃棄物処理のリーディングカンパニーであり、32カテゴリの危険廃棄物を処理可能で、そのうち25カテゴリの廃棄物を資源化する能力を持っている。新世代の情報技術、ハイエンド設備、新材料、新エネルギー、バイオ医薬といった分野の生産、研究開発をサポートする、危険廃棄物処理サービス業者だ。
取り扱っている廃棄物は半導体や製薬産業で生じる有機溶剤、電子・マイクロ電子・特殊材料加工産業で生じる重金属を含んだ廃液、化学工業・自動車・電子・医薬産業や科学研究機関などで生じる包装容器、自動車修理・機械加工などの産業で生じる潤滑油、マイクロ電子・PCB(プリント基板)などの産業で生じる廃酸などだ。
中国では各種産業の発展に伴い、近年では特に電子産業の急成長に伴って危険廃棄物の産出量が急速に増えており、2007年の1079万トンから17年には6937万トンにまで増加した。これに合わせて危険廃棄物処理を行う企業も急増しており、07年の1107社から19年には4195社に達している。また、危険廃棄物の処理能力も07年の1107万トンから19年には1億2896万トンにまで拡大、実際の処理量も420万トンから3558万トンまで増えており、今後もさらに増加することが見込まれる。
同社は包装容器、有機溶剤、廃酸・アルカリ、鉱物油、重金属を含む廃液と幅広い危険廃棄物をリサイクル利用する技術力を持っていること、処理能力が小さく処理可能範囲が狭い小規模な企業が業界に多く存在する中で一定の処理規模と多くの危険物の処理能力を持っていること、中国の半導体大手である中芯国際を始めとする中国国内の著名企業と業務提携を結ぶなど良好な顧客リソースを持っていること、業界に先駆けて業務の情報化に取り組んでいることなどを強みとする一方で、大型の環境保護企業や国有企業に比べて資金力が弱く、資金調達ルートが限られていることが成長の上でボトルネックとなっている。
また、危険物を扱う業種であるため安全確保のコストが高く、一度事故が起きれば大きな損害が発生する可能性があること、国の環境保護政策の変化による影響を受けやすいこと、競争の激化に伴う利益率の低下、新型コロナの感染拡大による顧客の生産活動停止といった経営上のリスクが存在する。
2021年12月期の売上高は6億6668万元(前期比4.20%減)、純利益は1億8250万元(同19.85%減)。22年1〜6月期の売上高は3億2879万元(前年同期比7.32%増)、純利益は7717万元(同11.14%減)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
上海証券取引所の科創板への上場を目指している、上海叢麟環保科技(688370/上海)が8月15日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2661万株を発行予定で、公募価格は59.76元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-08-11 23:15