【北京IPO】スマホなど盗難防止展示器具メーカーの杭州朗鴻科技が22日に公募開始、710万株発行予定

 北京証券取引所への上場を目指している、杭州朗鴻科技(836395/北京)が8月22日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。710万株を発行予定で、公募価格は17元。高募終了後、速やかに上場する見込みだ。  同社は2008年設立の民営企業で、15年に株式会社化した。携帯電話販売店などで用いられる、電子デバイスデモ機の盗難防止展示器具の研究開発、生産、販売を主業務としており、主にスマートフォン、ウェアラブルデバイスなどコンシューマー電子製品の展示で利用されている。華為技術、小米、OPPOなど中国のスマートフォンブランド大手メーカーなどを顧客に持つほか、欧州のCE認証、米国・カナダのFCC認証、ドイツのTUV認証など多くの国・地域の製品認証を取得している。  世界のスマートフォン出荷量は2016年をピークに減少、特に20年は新型コロナの影響もあり大きく落ち込んだが、21年以降は再び増加に転じると予測されている。中国国内の出荷台数も16年の約4億8000万台から年々減少し、20年は約3億2000万台まで落ち込んだ。出荷量が急成長する段階はすでに過ぎ去っており、今後は世代交代による機種変更を主とする需要段階に入ったと言える。一方で、ウェアラブルデバイス市場の成長は著しく、世界の出荷量は17年の1億1540万台から20年には3億8700万台に、中国でも2700万台から1億1000万台にまで伸びている。  電子デバイスデモ機の盗難防止展示器具業界は今後、展示品のセキュリティを保証すると同時に、可能なかぎりユーザーがデモ機の操作体験に集中できるよう小型化、ワイヤレス化、バックグラウンド化が求められるようになるとみられる。また、5Gやビッグデータ、IoT、顔認証、ユーザープロファイル、映像などの各種センサーと組み合わされることにより、セキュリティ確保とともに、顧客層やニーズの把握といった役割を担う可能性がある。より小型な一方で安全性が高く、インテリジェント化された展示器具の開発が求められている。  同社は生産設備の自動化、インテリジェント化を積極的に進めており、高品質かつ低コストな製品を提供できること、顧客の多様なニーズに対応するカスタマイズ能力を備えていること、グローバルな販売・サービス体系を持っていること、華為技術、小米、OPPOなどの大手スマホブランドをはじめとする優れた顧客リソースを持つこと、優れた研究開発力を持つことなどを強みとする一方で、生産能力が限られていること、資金調達手段が限られており会社の規模拡大に向けた資金調達が難しいこと、ハイエンド技術人材が不足していることなどがボトルネックとなっている。また、電子部品や半導体、非鉄金属などの原料価格の上昇、売上の大部分が少数の顧客に集中していること、海外での売上が約45%を占めており国際情勢の変化や為替レート変動の影響を受けやすいことなどが経営上のリスクとして存在する。  2021年12月期の売上高は1億4383万元(前期比19.35%増)、純利益は4907万元(同139.58%増)。22年1〜6月期の売上高は5504万元(前年同期比24.54%減)、親会社所有者に帰属する純利益は2090万元(同15.87%減)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
北京証券取引所への上場を目指している、杭州朗鴻科技(836395/北京)が8月22日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。710万株を発行予定で、公募価格は17元。高募終了後、速やかに上場する見込みだ。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-08-18 21:00