【為替本日の注目点】ウクライナ緊迫ドルの底値を探る展開、相場急変の可能性も
NY市場
ドル円は引き続きウクライナ情勢の緊迫から下値を試す展開が続き、一時1週間ぶりに102円台割れまで下落。その後は消費者信頼感指数が市場予想を上回ったことから102円20銭前後まで戻して引ける。
ユーロドルは横ばい。下値を徐々に切り上げてはいるものの、1.38台半ばが天井となり、もみ合いが続く。
株式市場は下落。アマゾンの決算をきっかけにナスダック指数が1.8%の大幅下落。ダウも140ドル安の1万6360台で引ける。
ウクライナ情勢を背景に債券は続伸。この日は株価が大幅安を演じたことで債券相場は5日続伸。10年債利回りも2.66%台まで低下。
金は続伸し1300ドル台を回復。原油は続落し約3週間ぶりに100ドル台まで売られる。
4月ミシガン大学消費者信頼感指数(改定値) → 84.1
ドル/円 101.96 ~ 102.21
ユーロ/ドル 1.3830 ~ 1.3847
ユーロ/円 141.03 ~ 141.42
NYダウ -140.19 → 16,361.46ドル
GOLD +10.20 → 1,300.80ドル
WTI -1.34 → 100.60ドル
米10年国債 -0.022 → 2.660%
本日の注目イベント
米 3月中古住宅販売成約指数
ウクライナ情勢の緊迫を背景に先週末のNY市場では、1週間ぶりにドル円は101円台後半まで円買いが進みました。先週は、米経済指標の安定が見られたことで102円台半ばから上値を試したものの、103円には届かず、再び101円まで下落し、今度はドルの底値を探る展開になりそうです。
先週末、オバマ大統領は対ロシアへの追加制裁について欧州首脳と協議し、ドイツのメルケル首相も対ロシアで新たな措置を講じる準備を進めていることを明らかにしました。これはウクライナ国境付近でロシアが軍事演習を開始したことで、ウクライナ情勢が新たな段階に入ったと判断したものと見られます。
ブルームバーグによると、米国と欧州連合(EU)はウクライナ危機を強めたとして28日にもプーチン大統領の側近とロシア企業に対し新たな制裁を発動する可能性があると伝えており、具体的にはロシアの国営石油会社の最高経営責任者であるロスネチフ氏と、側近のイゴール氏の名前を挙げています。
ロシアの軍事演習に対してウクライナ国防省も、同国南部の防空部隊が「戦闘即応態勢」を整えていることを明らかにしているなど、市場ではやや「リスクオフ」が進みそうな気配です。そのため、ドル円は再び102円を割り込む動きを見せ、株価も下落し、債券が買われています。
今週はウクライナ情勢に加えて、重要イベントが目白押しです。日本では日銀政策決定会合が開かれ、米国でもFOMCが開催されます。さらにECBが政策金利の発表を行い、ドラギ総裁の会見も予定されています。また、米国の第1四半期GDPも発表され、週末には恒例の雇用統計です。日本ではゴールデン・ウィークがスタートし行楽シーズンの幕開けですが、金融市場にとってもこれだけ重要イベントが揃うと、目が離せないゴールデン・ウィークとなりそうです。
ドル円やユーロドルなど主要通貨に明確な「方向感」は見い出せません。ドル円は101円~103円のレンジだとは言えますが、そのレンジのどちらを抜けていくのか、まだ不透明です。ウクライナ情勢は緊張感を増してきましたが、長期戦の気配です。やはり相場の方向を決定付けるのは上記重要イベントの結果ということになります。ドル円の変動率は急低下していますが、日本ではGWということで参加者が減り、上記イベントの結果次第では相場の急変があるかもしれません。ポジションと資金の管理には注意が必要です。ドル円の本日のレンジは101円80銭~102円70銭程度と予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は引き続きウクライナ情勢の緊迫から下値を試す展開が続き、一時1週間ぶりに102円台割れまで下落。その後は消費者信頼感指数が市場予想を上回ったことから102円20銭前後まで戻して引ける。
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2014-04-28 09:30