【北京IPO】自動車改造部品メーカーの杭州天銘科技が24日に公募開始、1000万株発行予定

北京証券取引所への上場を目指している、杭州天銘科技(836270/北京)が8月24日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1000万株を発行予定で、公募価格は18.96元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
同社は2000年設立の民営企業で、15年に株式会社化した。電動ウインチ、電動踏み板、車載コンプレッサー、テールゲートヒンジなどオフロード車用改造部品の設計、研究開発、生産、販売を主業務としている。「T−MAX」というブランドで展開している製品はオフロード車やピックアップトラック、軍事車両、SUV車などに広く利用されており、長城汽車、東風汽車など国内外の著名自動車メーカーと長期的な提携関係を構築する、中国国内では名の知れたオフロード車改造部品メーカーだ。21年12月期の売上構成はウインチが69.36%、電動踏み板が8.31%、車載コンプレッサーが8.75%、テールゲートヒンジが3.22%で、ウインチが同社にとっての主力製品となっている。
中国では自動車市場の発展、生活水準の向上に伴って、消費者の間で自動車を自分の好みにカスタマイズするニーズが日増しに高まっている。その中でオフロード車の改造ニーズも加速しており、オフロード車用改造品産業の発展も進んでいる。また2020年には自動車の改造に関する新たな政策が発表され、ルーフキャリアや踏み板などが改造可能範囲に盛り込まれたことで、自動車改造部品業界はさらなる発展のチャンスを迎えている。
目論見書によれば、中国の自動車改造業界市場規模は2016年の458億元から21年には703億元にまで成長しており、21〜26年には年平均7.5%のペースで市場規模が拡大し、26年には1000億元を突破すると予測されている。自動車の年間生産台数の成長はここ数年で頭打ち状態となっている一方で、中国の人口1000人あたり自動車保有台数は214台と先進国に比べてはるかに低いため、保有台数の増加に伴って改造部品市場の拡大も見込めそうだ。
同社は知名度のある自社ブランドを持っていること、国内市場の開拓を進めると同時に国外市場の拡大にも取り組んでおり、タイで子会社を設立して大規模生産を行い、海外顧客のニーズに迅速に対応する体制を整えていること、中国国内業界における先発企業であることなどを強みとする一方で、生産能力に限りがあり、技術開発や生産能力拡大に乗り出すための資金が不足していることなどがボトルネックとなっている。また、売上が少数の顧客に大きく依存していること、原材料価格の上昇、流動資産に対する在庫評価額の割合が30%前後で、業務規模の拡大とともに在庫も増加していることなどが経営上のリスクとして存在する。
2021年12月期の売上高は1億8983万元(前期比11.28%増)、純利益は3594万元(同25.28%増)。22年1〜6月期の売上高は7194万元(同16.39%減)、親会社所有者に帰属する純利益は2001万元(同38.64%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
北京証券取引所への上場を目指している、杭州天銘科技(836270/北京)が8月24日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1000万株を発行予定で、公募価格は18.96元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-08-20 23:30