【上海IPO】バイオ製剤開発向け培地製造の上海奥浦邁生物科技が24日に公募開始、2050万株発行予定

上海証券取引所の科創板への上場を目指している、上海奥浦邁生物科技(688293/上海)が8月24日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2050万株を発行予定で、公募価格は23日に発表する。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
同社は2013年設立の民営企業で、20年に株式会社化した。培地など細胞培養製品・サービスの提供を主業務としており、顧客向けに遺伝子実験から治験新薬申請(IND)、製剤承認申請(NDA)に至るまでのプロセスの迅速化に向けた包括的なソリューションプランを提供し、細胞培養製品・技術の最適化によってバイオ製剤の生産コスト低減を実現する。自社開発の医薬品受託製造(CDMO)プラットフォームを構築しており、中国医薬集団傘下の北京生物製品研究所、上海生物製品研究所や、康方生物など多くのバイオ製剤メーカーに製品とサービスを提供してきた。
フロスト&サリバンによれば、世界のバイオ製剤市場規模は2016年の2202億米ドルから20年には2979億ドルと年平均7.8%のペースで成長、需要のさらなる高まりや技術の進歩、新世代の製品発売などにより、25年には5301億ドルにまで拡大する見込みだ。中でも中国市場の成長は著しく、16年の1836億元から20年には3457億元と年平均17.1%のペースで成長し、25年には8116億元に達すると予測されている。一方、中国における培地などバイオ製剤原料の調達は、特にハイエンド製品を中心として依然輸入に頼っている状況であり、今後国内企業の技術力向上に伴い、各原料の国産化切り替えが進むものと期待されている。
さらに、中国のバイオ製剤CDMO市場規模は2016年の25億元から20年には91億元と、年平均38.3%のペースで拡大。新たなバイオ製剤が続々と開発されるとともに、薬品のアクセシビリティが高まるのに伴って今後も同様のペースで成長を続けるとみられ、25年の市場規模は458億元にまで膨らむ見込みだ。
同社は、中国のバイオ製剤市場で輸入品への依存度が高い培地について、様々な種類の高品質な国産培地を提供する技術力を持ち、かつ大規模な生産能力を持っていること、培地など細胞培養製品の生産とバイオ製剤の開発・製造委託サービスの両方をカバーしていること、ハイレベルな研究人材を確保していること、中国国内の顧客向けに短納期で製品を納入できること、国内外の500を超える製薬会社、研究機関にタービスを提供してきた実績を持つことなどを強みとしている。
一方で、大手企業に比べて経営規模が小さく、市場開拓が途上段階にあること、CDMOサービスプラットフォームの規模が小さい上、現時点で対応しているのが第2相臨床試験までで、第3相試験や商業化生産までカバーしきれていないことなどがボトルネックとなっている。また、培地製品のレシピや生産工程、CDMO技術プラットフォームなどの重要技術の外部漏えいによる競争力の低下、競争激化によるサービス価格の下落、培地製品の品質問題などといった経営上のリスクが存在する。
2021年12月期の売上高は2億1268万元(前期比70.19%増)、純利益は6039万元(同416.87%増)。22年1〜6月期の売上高は1億4671万元(前年同期比78.08%増)、純利益は5335万元(同181.43%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
上海証券取引所の科創板への上場を目指している、上海奥浦邁生物科技(688293/上海)が8月24日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2050万株を発行予定で、公募価格は23日に発表する。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-08-21 11:00