【深センIPO】衛生用品用ホットメルト接着剤メーカーの聚膠新材料が24日に公募開始、2000万株発行予定

深セン証券取引所の創業板への上場を目指している、聚膠新材料(301283/深セン)が8月24日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2000万株を発行予定で、公募価格は23日に発表する。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
同社は2012年設立の民営企業で、20年に株式会社化した。生理用ナプキン、紙おむつなど吸収性衛生用品の各層を接着する専用のホットメルト接着剤の研究開発、生産、販売を主業務とする。世界の業界における4大主要供給業者となっており、中国国内市場ではこれまで輸入品がシェアの大部分を占有するなかで国産化を実現、海外市場でもハイエンドな製品を販売している。キンバリークラーク、恒安国際、大王製紙、ヴィンダ(維達)、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)など国内外の使い捨て衛生用品メーカーを顧客に持つ。
中国の乳児衛生用品市場規模は2014年の276億6000万元から499億元と19年には年平均12.5%のペースで拡大した。その背景には年間1000万人を超える新生児が誕生していること、紙おむつの普及による消費量の増加がある。また、高齢者向けの紙おむつ市場も発展の初期段階にあり、中国造紙協会によれば市場規模は14年の45億6000万元から19年には93億9000万元と年15.5%のペースで拡大した。高齢者向け紙おむつのさらなる普及、そして高齢者の増加に伴いこの分野の需要も今後さらに高まることが見込まれる。そして、生理用ナプキンの浸透度はすでに飽和状態にあるものの、市場規模は14年の348億5000万元から19年には572億4000万元と安定的に増加している。
さらに、世界での衛生用品市場も、アフリカ、インド、ラテンアメリカ、東南アジアといった新興国での成長が著しく、乳児用紙おむつ、高齢者向け紙おむつ、生理用ナプキンのいずれも年々市場が拡大している。
同社は、高い研究開発力を持っていること、世界の大手衛生用品ブランドを顧客に持っていること、安定した品質により業界内で信頼を得ていることなどを強みとする一方で、大手のライバル企業が幅広い分野の接着剤製品を手掛ける中で衛生用品用ホットメルト接着剤のみを取り扱っていること、経営規模が小さく、資金力が弱いこと、研究開発人員が不足していることなどがボトルネックとなっている。また、石油樹脂や鉱物油などの原材料価格上昇、新型コロナによる輸送費用の増加などが経営上のリスクとして存在する。
2021年12月期の売上高は10億5379万元(前期比19.88%増)、純利益は5480万元(同31.19%減)。22年1〜6月期の売上高は6億3111万元(前年同期比42.73%増)、純利益は4314万元(同105.78%増)。
(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
深セン証券取引所の創業板への上場を目指している、聚膠新材料(301283/深セン)が8月24日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2000万株を発行予定で、公募価格は23日に発表する。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-08-21 23:30