【深センIPO】リチウムイオン電池電極用ピッチ製造の信徳新材が26日に公募開始、1700万株発行予定

深セン証券取引所の創業板への上場を目指している、信徳新材(301349/深セン)が8月26日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1700万株を発行予定で、公募価格は138.88元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
同社は2000年設立の民営企業で、20年に株式会社化した。リチウムイオン電池の人造黒鉛負極のコーティング剤、バインダーとして用いられるピッチ製品の研究開発、生産、販売を主業務としており、川下分野であるピッチ系炭素繊維にも業務を拡大している。負極被覆材料分野のリーディングカンパニーであり、20年の市場シェアは30%前後と推定されている。また、副産物であるゴム用可塑剤の販売も行っており、21年12月期の売上構成は負極被覆材料が67.21%、ゴム用可塑剤が19.36%となっている。
中国では新エネルギー自動車産業の急速な成長などによってリチウムイオン電池の需要が急速に高まるとともに、より高性能な電池の研究開発が進んでいる。中国におけるリチウムイオン電池負極材料出荷量は2017年の14万8000トンから20年には36万5000トンにまで増加した。負極被覆材料は負極材料を構成する一部で、負極材料に占める負極被覆材料の割合は10%前後とされているため、20年には年間3万トン程度の負極被覆材料が生産されたものとみられる。新エネ車や蓄電池、電動工具、電動自転車、デジタルデバイスのさらなる普及とともに、その生産量、市場規模はさらに拡大することになりそうだ。
同社は業界をリードする高い技術力による高性能な負極被覆材料を生産可能であること、負極材料のリーディングカンパニーを顧客に持っていること、ライバル企業に比べて生産能力が大きく、低コストで製品を提供できることなどを強みとする一方で、今後のさらなる発展に向けた資金面、人材面の不足がボトルネックとなっている。また、業界の競争激化、売上が少数の顧客に集中していること、原材料価格の大幅な上昇などによる利益率の低下といった経営上のリスクが存在する。
2021年12月期の売上高は4億9197万元(前期比80.88%増)、純利益は1億3768万元(同59.65%増)。22年1〜6月期の売上高は4億3197万元(前年同期比106.63%増)、純利益は7850万元(同9.05%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
深セン証券取引所の創業板への上場を目指している、信徳新材(301349/深セン)が8月26日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1700万株を発行予定で、公募価格は138.88元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-08-24 23:45