【深センIPO】中・高級子ども服の北京嘉曼服飾が30日に公募開始、2700万株発行予定

 深セン証券取引所の創業板への上場を目指している、北京嘉曼服飾(301276/深セン)が8月30日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2700万株を発行予定で、公募価格は40.66元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。  同社は1992年設立の民営企業で、2015年に株式会社化した。中〜高級の子ども服、下着、靴下などの設計、ブランド運営を主業務としている。21年12月31日現在で中国国内の31省・直轄地・自治区に直営店189店舗、フランチャイズ店405店舗の計594店舗を構えるほか、唯品会、天猫、京東など中国の大手ECプラットフォームを中心に37のオンライン店舗を設けている。「水孩児」などの自社ブランドのほか、ハッシュパピーなどのライセンス契約ブランド、海外高級ブランドの代理販売を展開しており、「水孩児」は20年の中国少年少女向け服装市場(中国国内ブランドかつスポーツアパレルブランドを除く)シェア第7位となっている。  2019〜21年の12月期における売上構成は、自社ブランドが25%程度、ライセンス契約ブランドが60%前後、海外ブランド代理販売が9.58%。直営店およびフランチャイズ店の売上は19年12月期の約47%から21年12月期には約35%まで減少、一方でECプラットフォームによる売上が約53%から約65%へと増加しており、オンライン販売が同社の主要販売チャネルとなりつつある。  中国の子ども服市場は発展し始めた時期が1990年代初期と遅く、市場は発展途上の状態にある。ユーロモニターのデータによれば、中国子ども服市場上位5ブランドの合計シェアは12.90%と、日本や欧米など先進国に比べるとかなり低く、勃興し始めた国内ブランドと、海外ブランドによる激しい競争が繰り広げられている。また、中国では出生数が2016年の1786万人から年々減少しつつある一方で、子ども服の小売総額は16年の1571億元から20年には2292億元にまで増えた。消費者の可処分所得増加に伴い、アパレル商品もより安いものからより快適で安全なものが求められるようになった。このニーズの変化が、子ども服市場のさらなる成長を下支えしている。  同社は取り扱うブランドを中級、中高級、高級と細かく位置づけて差別化しており、幅広いニーズをカバーしていること、自社ブランドではブランドごとに異なるデザインチームを設け、消費者の細かなニーズを掴んだデザイン開発を進めていること、幅広い販売チャネルを持っていること、長年子ども服事業に携わっていることなどを強みとする一方で、多ブランド戦略をさらに発展させるうえでマネジメント能力の強化、人的リソースの充実が必要であること、そのための資金力が不足していること、主に華北地域で業務を展開しておりその他の地域では店舗が少なくブランド知名度が低いことなどが課題だ。  また、中国のマクロ経済成長の鈍化に伴う消費の減少、競争の激化、海外ブランドのライセンス契約切れ、ライセンス料の上昇、フランチャイズ店舗やECプラットフォームでの運営トラブル、総資産に占める在庫評価額の比率が30%以上と高いことなどがリスク要素として存在する。  2021年12月期の売上高は12億1442万元(前期比16.34%増)、純利益は1億9468万元(同63.83%増)。22年1〜6月期の売上高は4億9777万元(前年同期比7.15%減)、親会社株主に帰属する純利益は7430万元(同15.46%減)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
深セン証券取引所の創業板への上場を目指している、北京嘉曼服飾(301276/深セン)が8月30日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2700万株を発行予定で、公募価格は40.66元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-08-27 00:15