【深センIPO】ETC事業運営の江蘇通行宝智慧交通科技が31日に公募開始、6000万株発行予定

深セン証券取引所の創業板への上場を目指している、江蘇通行宝智慧交通科技(301339/深セン)が8月31日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。6000万株を発行予定で、公募価格は30日に発表する。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
同社は2016年設立で、19年に株式会社化した。高速道路、幹線道路、都市交通などに対してスマート交通プラットフォームソリューションプランを提供し、ETCによるスマート交通電子料金収受事業、クラウド技術をプラットフォームとするスマート交通運営管理システム事業、ETCを活用した給油、保険、道路沿線経済、自動車メンテナンスなどのカーライフ関連サービスを主業務としている。21年12月期の売上構成はETCの発行・販売および料金電子収受サービスが60.95%、スマート交通運営管理システム事業が36.97%、スマート交通派生サービスが2.08%となっている。
中国国家統計局によれば、中国の民間用自動車保有台数は2015年の1億6284万台から21年には3億151万台へと増加した。また、交通運輸部のデータでは、19年末のETC累計ユーザーは2億400万件で、ETC設置率は78.46%となっている。今後も中国では自動車の保有台数が増加する見込みで、ETC市場のニーズも高水準で拡大するものとみられる。同社が持つETCユーザーは21年末現在で約2087万件で市場シェアは8.58%、業界第3位となっており、さらなるユーザー数とシェアの拡大を狙う。
同社は経験豊富な技術開発人材に支えられた高い技術力、中国の著名大学との積極的な研究協力展開、ETCとクラウド技術やV2X通信を組み合わせた新たな通行料金収受システムなど次世代技術の開発に取り組んでいることなどを強みとする一方で、会社の経営規模が小さいこと、江蘇省内で唯一ETCの発行権限が与えられており、独占的な地位にある一方で、同省外の市場開拓が必要であることなどがボトルネックとなっている。また、現在基本的に各省で1事業者に限定されているETC発行権限が、今後の政策の調整によって複数事業者に権限が付与されるようになれば、江蘇省内のETC発行事業で激しい競争に晒される可能性がある。
2021年12月期の売上高は5億9345万元(前期比27.26%増)、純利益は2億158万元(同10.83%増)。22年1〜6月期の売上高は2億1768万元(前年同期比15.17%減)、純利益は6965万元(同29.64%減)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
深セン証券取引所の創業板への上場を目指している、江蘇通行宝智慧交通科技(301339/深セン)が8月31日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。6000万株を発行予定で、公募価格は30日に発表する。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-08-28 21:00