ケンコーマヨネーズは、売りが一巡、中期成長力評価して出直り

　　業務用マヨネーズ・ドレッシング類大手のケンコーマヨネーズ <2915> の株価は、前期（１４年３月期）利益見通しの減額修正などで戻り高値圏から反落したが、足元では売り一巡感を強めている。指標面には割安感があり、中期成長力を評価して出直り態勢だろう。 　　サラダ類、マヨネーズ・ドレッシング類、タマゴ加工品などの調味料・加工食品事業、フレッシュ総菜などの総菜関連事業、その他事業（ショップ事業、海外事業）を展開している。中期経営計画で掲げた「サラダカフェ」「サラダ料理」「世界のソース」「タマゴ製品」など、事業領域拡大戦略が順調に進展している。海外は、中国で１５年３月期中の単月黒字化を目指し、インドネシアではハラル認証を取得して１３年１０月から生産・販売を開始した。 　　サラダカフェ事業は、３０店舗構想を掲げて百貨店やショッピングモールへのショップ展開を進めている。１３年９月末時点の店舗数は１６店舗である。さらに業務用メーカーからの脱皮を目指して、個食化に対応した小袋形態のロングライフサラダ「サラダのプロがつくった」シリーズを１３年９月に発売するなど、ＢｔｏＣ市場への事業展開も強化している。 　　１４年３月には静岡富士山工場（静岡県富士市）が竣工した。中期経営計画における「事業領域の拡大」の一環として新設した工場だ。製造ラインは連続一貫生産工程となり、厚焼き卵、だし巻き卵、錦糸卵などを製造する。 　　４月４日に前期（１４年３月期）連結業績見通しの修正を発表した。売上高は１５億円増額して前々期比４．５％増の５７０億円としたが、営業利益は４億２０百万円減額して同１７．２％減の２３億円、経常利益は４億３０百万円減額して同１６．５％減の２１億５０百万円、純利益は２億８０百万円減額して同１９．１％減の１１億４０百万円とした。 　　売上高はメニュー提案力強化や分野別・業態別チームの取り組みなどの成果も寄与して計画を上回るが、利益については新工場稼働に向けた先行費用などに加えて、穀物相場の高値圏推移、為替の円安に伴う食用食物油など海外産原料調達価格の上昇、１３年夏の猛暑後の鶏卵相場の高値圏推移などで原料価格が想定以上に上昇した。ただし売上は好調に推移しているため、今期（１５年３月期）はコストダウン効果や価格改定効果も寄与して好業績が期待される。 　　株価の動きを見ると、３月２６日に戻り高値となる９２６円まで上値を伸ばしたが、３月２７日の配当権利落ち、４月４日の前期利益見通し減額修正、さらに全般地合い悪化も影響して４月１１日の８５３円まで調整した。ただ足元では８７０円台まで切り返している。減額修正を嫌気した売りが一巡したようだ。 　　４月２５日の終値８７７円を指標面で見ると、前期推定連結ＰＥＲ（会社予想の連結ＥＰＳ８０円２２銭で算出）は１０～１１倍近辺、前期推定配当利回り（会社予想の年間２１円で算出）は２．４％近辺、実績ＰＢＲ（前々期実績の連結ＢＰＳ１０４１円５４銭で算出）は０．８倍近辺である。週足チャートで見ると２６週移動平均線と５２週移動平均線を割り込んだが、足元では陽線を立てて反発の動きを強めている。売り一巡して出直り態勢だろう。（情報提供：日本インタビュ新聞社＝Ｍｅｄｉａ－ＩＲ）