日本エム・ディ・エムは、収益改善基調を評価して反発のタイミング

  医療機器商社の日本エム・ディ・エム <7600> の株価は上値を切り下げて2月以降はボックス展開となったが、足元では調整一巡感を強めている。収益改善基調を評価してレンジ下限から反発のタイミングだろう。なお4月30日に決算発表を予定している。   人工関節、脊椎固定器具、骨接合材料など整形外科分野を主力とする医療機器商社である。ジョンソン・エンド・ジョンソンとの販売契約が13年3月期に終了した影響で一時的に収益が悪化したが、米国子会社オーソデベロップメント(ODEV)社製品の拡販と、それに伴う自社製品比率上昇による売上総利益率向上などで収益改善基調だ。   13年6月には米ODEV社製造の脊椎固定器具の薬事承認を取得した。さらに13年11月には米ODEV社製造の人工膝関節新製品が米国食品医薬品局(FDA)薬事承認を取得し、14年1月から米国で販売を開始した。米ODEV社製造の人工膝関節製品は中国でも薬事承認を取得しているため、日本や中国の高齢化社会到来を背景として、中期的に収益拡大が期待される。   前期(14年3月期)連結業績見通し(5月8日公表)は、売上高が前々期比15.6%増の94億円、営業利益が5億40百万円(前期は1億52百万円の赤字)、経常利益が4億40百万円(同3億95百万円の赤字)、純利益が2億円(同3億97百万円の赤字)の黒字としている。ジョンソン・エンド・ジョンソンとの販売契約終了の影響が一巡し、米ODEV社製品の日本と米国での販売好調、そして自社製品比率上昇による売上総利益率向上などで営業損益が大幅に改善する。   さらに今期(15年3月期)についても、米ODEV社製の人工関節や脊椎固定器具が好調に推移し、骨接合材料新製品「MODE」の日本での拡販も進展する。自社製品比率の上昇も寄与して一段の収益改善が期待されるだろう。   株価の動きを見ると、1月の戻り高値圏350円近辺から反落して上値を切り下げた。2月以降は概ね280円~300円近辺のレンジでボックス展開のようだ。ただし足元では調整一巡感を強めている。4月11日には277円まで調整したが、2月安値276円を割り込むことなく280円~290円近辺に戻している。収益改善基調を評価する動きだろう。   4月25日の終値288円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS7円56銭で算出)は38倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は1.7%近辺、実績PBR(前々期実績の連結BPS409円58銭で算出)は0.7倍近辺である。週足チャートで見ると52週移動平均線近辺で下げ渋る動きだ。サポートラインを確認した形であり、レンジ下限から反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
医療機器商社の日本エム・ディ・エム<7600>(東1)の株価は上値を切り下げて2月以降はボックス展開となったが、足元では調整一巡感を強めている。
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2014-04-28 09:45