果汁飲料の森美集団HD、東南アジア向け輸出不振で22年6月期通期は70%以上の減収

オレンジジュースなど果汁製品の生産、販売を手掛ける森美集団HD(00756/香港)が10月3日、2022年6月期の通期決算報告を発表した。輸出の不振により売上高が前期比で70%以上減少した。
同社は1991年の創業以来30年以上にわたりNFC(非濃縮)オレンジジュース、濃縮オレンジジュース、粒入りオレンジジュース、搾りかすなどのオレンジ製品の加工、販売を主業務としている。08年に香港メインボードに上場した。16年にはコカ・コーラと提携して世界初の柑橘系SAGP(持続可能な農業の基本原則)認証を取得するとともに、コカ・コーラの原料サプライヤーとなった。福建、重慶、四川、湖南などに工場を持ち、特に13年に建設された重慶の生産拠点は、アジア大規模のNFCオレンジジュース工場となっている。
22年6月期通期の売上高は3017万人民元で、前期の1億1116万元から72.9%の大きな減少となった。一方、売上総利益は717万元で前期の423万元から約70%増加しており、これは主に当期中に利用した棚卸資産について認識された減損損失の戻入れによるものである。当期純損失は3981万元の赤字で、4851万元の赤字だった前期に比べて17.9%赤字額が減少した。
当期の経営状況について同社は「厳しい1年だった」とし、東南アジア向け輸出の増加による業務拡大に取り組んだ一方で、人民元の対東南アジア諸国通貨レートが上昇したことに加え、激しい競争に晒されて非常に低い価格での販売を余儀なくされたことで、十分な利益が得られなかったと振り返っている。森美(SUMMI)ブランドのフレッシュジュース製品は輸出不振で大きく売上を減らしたものの、中国本土向けの冷凍濃縮果汁および関連製品の売上は前期の619万元から920万元と約50%増加した。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
オレンジジュースなど果汁製品の生産、販売を手掛ける森美集団HD(00756/香港)が10月3日、2022年6月期の通期決算報告を発表した。輸出の不振により売上高が前期比で70%以上減少した。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-10-04 22:45