【為替本日の注目点】ドル円再び145円80銭まで上昇

ドル円は米債券市場が休場のため小動だったがドル高が続き、145円80銭まで買われる。ユーロドルでもややドル高が進み、0.9685までユーロが売られる。株式市場は4日続落。前日630ドルの大幅下落を演じたダウはこの日も93ドル下落。債券市場は「コロンブスデー」のため休場。金は続落し、原油は反落。
9月財政収支 → -39.2b
ドル/円 145.43 ~ 145.80
ユーロ/ドル 0.97685 ~ 0.9744
ユーロ/円 141.09 ~ 141.81
NYダウ -93.91 → 29,202.88ドル
GOLD-34.10 → 1,675.20ドル
WTI -1.51 → 91.13ドル
米10年国債 ----- → 3.881%
本日の注目イベント
豪 10月ウエストパック消費者信頼感指数
豪 9月NAB企業景況感指数
日 8月貿易収支
日 8月国際収支
日 9月景気ウオッチャー調査
英 9月失業率
英 ベイリー・BOE総裁講演
米 IMF、世界経済見通し
米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演
145円70銭・・・。午前6時半現在ドル円はジリジリと値を戻し、NYのこの日の高値よりはやや下げているものの、ほぼ高値圏での推移が続いています。ここまで来ると、焦点は一つ。9月22日に続く市場介入があるのかどうかです。連休前のコメントでも述べましたが、ドル円が145円台に乗せても介入は見られませでした。昨日は東京市場が休場で値動き自体が緩慢で、145円台半ばで推移していましたが、休日のため介入はありません。市場は再び介入に対する警戒感を維持しながらも、米金利の先高観測を材料に緩やかにドル買いを進めている状況です。145円台では介入がないのではとの見方を維持していますが、146円台に入ったら注意は必要です。あるいは146円前後と言うべきかもしれません。
先週金曜日の米雇用統計では、非農業部門雇用者数は「26万3000人」と、市場予想は超えたものの、前月の「31万5000人」からは大きく減少していました。ただ、失業率が前月の「3.7%」から「3.5%」に改善しており、再び50年ぶりの低水準に並んでいます。結局9月の雇用統計では、「FRBの積極的な大幅利上げ観測を後退させる結果ではなかった」との見方が、結果を受けての市場のコンセンサスでした。ドル円はこの発表を受け、直後は144円台半ばまでドル売りが進みましたが、直に切り返し145円44銭までドル高が進み、昨日の市場では介入警戒感を維持しながらもジリジリとドルが買われる展開でした。今回の数字では、米雇用市場の強さが維持されていることがあらためて示された形になりました。米求人件数の減少や一部セクターでのレイオフ増加など、労働需給の鈍化が幾らか示されていたものの、雇用主の多くはまだ人材不足に見舞われており、堅調なペースで採用を続けているとみられます。また、こうした強さは個人消費を支えているだけではなく、賃金上昇につながっているとブルームバーグは分析しています。
景気の底堅さを背景に、今後もFRBによる大幅利上げは続くとの見方から、米株式市場では再び売りが優勢となり軟調な展開となってきました。JPモルガンのダイモンCEOは、米経済および世界経済が「深刻な」逆風を受けて来年半ばまでにリセッションに陥る可能性が高いとの見方を示しています。また既に年初来ではおよそ25%下げているS&P500指数について、「一段の下落余地があるかもしれない。さらに20%下げる可能性がある」と、CNBCとのインタビューで語っています。シカゴ連銀のエバンス総裁は講演で、「中立金利を大幅に下回ったことを考えると、利上げ前倒しは良い政策だった。しかし、オーバーシュートも犠牲が大きい」とし、「利上げが行き過ぎるリスクを低減するため、金融当局は安心して休止できる水準まで政策金利を早急に引き上げる必要がある」との認識を示しました。一方ブレイナード副議長は、「慎重にデータ次第の姿勢で前進することで、経済活動と雇用、そしてインフレがこれまでの利上げにどう順応しているかを知ることができ、それが政策金利の道筋に関するわれわれの判断形勢につながる。金融政策はしばらく抑制的なものになる」と述べ、積極的な利上げにおける慎重姿勢の重要性を主張していました。エバンス総裁とはやや認識を異にしています。
ロシアによるウクライナへの攻撃はさらに激化しています。ウクライナのキーウやオデーサ、ドニプロ、リビウなど数都市がミサイル攻撃を受け、戦争開始当初以降最も激しいものとなった模様です。プーチン氏はクリミア半島とロシア本土を結ぶ橋が被害を受けた攻撃への報復だとし、ウクライナのインフラにさらに攻撃を加える可能性を示唆しています。バイデン大統領はロシアを非難し、「必要な限りウクライナの人々を支持するというわれわれのコミットメントを強めるだけだ」と述べ、欧州各国の首脳は攻撃が「戦争犯罪」に相当すると語っています。(ブルームバーグ)
ドル円は9月22日の高値145円90銭に近づいていることから、介入警戒感と共に、ドル売り注文も集まり易い水準にいます。財務相あたりから、「断固とした対応を行う」といったコメントもあるかもしれません。そのため、東京時間では上値が重く、146円台テストはないかもしれませんが、直に流れが変わることはないと予想しています。本日のドル円は144円50銭~146円50銭といったところでしょうか。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は米債券市場が休場のため小動だったがドル高が続き、145円80銭まで買われる。ユーロドルでもややドル高が進み、0.9685までユーロが売られる。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-10-11 10:45