【香港IPO】AR/VRサービスの飛天雲動科技が18日に上場、初値は公開価格と同値の2.21香港ドル

AR/VRサービスを手掛ける飛天雲動科技(06610/香港)が10月18日、香港証券取引所メインボードに新規上場した。公開価格2.21香港ドルに対し、初値は同値の2.21香港ドルだった。終値は4.07%安い2.12ドルだった。
同社は2008年に掌中飛天科技として設立した。もともとはゲーム事業を主業務としていたが、17年4月にAR/VRコンテンツおよびサービス事業に転換、19年5月にゲーム事業から撤退した。17年7月に株式会社化して新三板に上場したが、19年8月に上場廃止となった。中国国内でAR(拡張現実)/VR(仮想現実)を用いたマーケティングサービス、コンテンツ提供、SaaSサービス、IP(知的財産)ライセンス事業を主業務としており、このうちAR/VRマーケティング・広告サービスによる売上が全体の6割前後と最も大きい。2021年の中国AR/VRコンテンツおよびサービス市場シェアは2.6%で業界トップとなっており、そのうちAR/VRサービス市場シェアは13.5%にのぼった。
中国のAR/VRコンテンツ・サービス市場は現在目覚ましい発展を遂げている。21年現在の市場規模は217億人民元で、22年には357億元に、26年には1302億元にまで拡大し、年平均成長率は38.2%という非常に高い水準に達する見込みだ。同社は「中国をリードするメタバースプラットフォーム」建設に注力し、中小企業とメタバースや自前のメタバースプラットフォーム「飛天メタバースプラットフォーム」の橋渡しを通じて顧客にサービスを提供し、成長著しいメタバース業界を代表する中国企業への成長を目指す。
21年12月期の売上高は5億9529万元(前期比75.81%増)、純利益は7171万元(同19.03%増)。22年1〜3月期の売上高は2億2886万元(前年同期比64.95%増)、純利益は3820万元(同4.16倍)。
新規上場に伴い調達予定の約6億2050万香港ドル(約118億円)は、約25%を研究開発能力増強および技術インフラ改善に、約15%をサービスおよび製品の改善に、約25%を販売・マーケティング能力向上に、約15%を合併や買収、戦略投資に、約10%を飛天メタバースプラットフォーム開発に用いる。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
AR/VRサービスを手掛ける飛天雲動科技(06610/香港)が10月18日、香港証券取引所メインボードに新規上場した。公開価格2.21香港ドルに対し、初値は同値の2.21香港ドルだった。終値は4.07%安い2.12ドルだった。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-10-18 19:15