モーニングスターの23年3月期第2四半期決算は増収増益、経常利益は13期連続増益で11期連続最高益更新

モーニングスター <4765> が26日に発表した2023年3月期第2四半期決算は、売上高40.80億円(前年同期比3.6%増)、経常利益12.34億円(同4.9%増)の増収増益決算になった。経常利益は13期連続増益で11期連続で過去最高を更新した。当日、決算説明会を開催し、同社代表取締役社長の朝倉智也氏は、「年初から株式も債券も値下がりするというリーマン・ショックを上回るような厳しい市場環境にあって、わずかな比率であっても増収増益を確保できた。連続増収・増益にはこだわりをもって経営し、長期で振り返った時に大きな変化になっているような決算にしていきたい。2023年3月に創業25周年を迎える。その決算をより良いものにするため、下半期に一段と業績の上乗せを図っていきたい」と語っていた。
売上高の約75%を占めるアセットマネジメント事業は、インデックスファンドを中心に運用残高を1年間で6112億円伸ばし、部門売上高は前年同期比3.9%増収の30.20億円になった。また、金融機関向けの投信販売支援ツールであるタブレット端末向けのアプリは、利用台数が2%増加し、ファイナンシャル・サービス事業も前年同期比2.9%増収の10.59億円を確保した。
朝倉氏は、金融市場の環境が厳しい中でも提供するファンドの残高が伸び、かつ、タブレット端末アプリも増加していることを手掛かりに、一段と高い利益成長が可能になるという見通しを語った。たとえば、アセットマネジメント事業の中核子会社であるSBIアセットマネジメントは、運用資産残高の9割をインデックスファンドが占めているが、運用ファンドの中には「SBI 中小型成長株F ジェイネクスト」のような10年(年率)リターンが21.30%になるような極めて優れた運用成績を残しているファンドがある。また、10月に新たにグループに加わった新生インベストメント・マネジメントの「新生・UTIインドファンド」は10年(年率)リターンが18.93%とインド株ファンドの中でトップの運用成績を残している。「投信販売金融機関は、新設ファンドよりも長く優れた運用実績のあるファンドの採用に力を入れている。グループの持つ優れたアクティブファンドを広く紹介し、アセットマネジメント事業の利益率を底上げしたい」(朝倉氏)と語っていた。
また、同社のアセットマネジメント事業で比較的大きな残高を抱える私募投信の分野では、「主要な顧客である地域金融機関の運用資産は円債が中心であり、かつ、長期債の運用比率が高い。国内金利も今後は金利上昇に備えることが必要になっており、円金利の上昇に備えたファンドのニーズが高まっている」として、私募投信分野の成長も期待できると語った。
一方、ファイナンシャル・サービス事業の中核であるタブレット端末アプリについては、金融機関のフィデューシャリー・デューティー(受託者責任、顧客の利益を第一に考えた営業姿勢)の徹底に関連して、顧客一人ひとりに応じた提案をサポートする「ライフプランシミュレーションツール」や、個々のファンドを同一カテゴリーのファンドと比較して説明する「重要情報シート」などを付加して採用するケースが増えているという。「今後も投信市場のすそ野拡大を進めていく上で、『重要情報シート』の利用拡大は望まれており、タブレット端末アプリの機能拡充による増収につながる」と期待していた。そして、新型コロナウイルスの感染拡大などによって中止や延期されてきたセミナー事業も、2023年1月以降は再開の計画があるとし、「創業25周年を迎える下期に、一段と頑張って良い決算を実現したい」と語っていた。(画像は、オンラインでも実施された決算説明会のイメージ)
モーニングスターが26日に発表した2023年3月期第2四半期決算は、売上高40.80億円(前年同期比3.6%増)、経常利益12.34億円(同4.9%増)の増収増益決算になった。(画像は、オンラインでも実施された決算説明会のイメージ)
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2022-10-26 18:00