アイティメディア、製造業のデジタルプロモ活発化で新成長ステージ
アイティメディア <2148> は2014年4月28日、2014年3月期決算の説明会を東京証券会館で開催した。売上高は28億9千万円と前期比0.3%減の横ばいだったものの、営業利益は3億26百万円(前期比78.2%増)、経常利益3億31百万円(同76.9%増)、当期純利益2億2百万円(同57.5%増)と大幅に利益成長した。同社代表取締役社長の大槻利樹氏は、「リーマンショック後に赤字転落してから進めてきた立て直しがようやく実を結び、いよいよ次のステージが始まる」と飛躍を期していた。同社は4月25日に14年3月期決算を発表している。
同社は、2013年4月25日に、「業績目標コミットメント型ストックオプション(新株予約権)」を発行し、その際に中期の営業利益イメージを2016年3月期に6億円と掲げている。14年3月期は、目標に向けた第1ステップの結果として「業績予想を上回る好スタート」(大槻氏)と位置づけている。
売上高が横ばいとなったことは「2013年3月期に大型イベントの実施による売上高のかさ上げがあったため、各メディアの成長を反映した結果としては順調に進んでいると評価している」という。事務所移転による固定費の削減、そして、利益率が高いターゲティング型広告の増大によって、利益率が高まった。13年3月期に6.3%だった営業利益率が、14年3月期には11.3%になった。大槻氏は「ピーク時の営業利益率は16%だったため、利益率の一段の引き上げは可能」と語っている。
メディア分野別の売上高は、主力の「IT分野」が横ばい、モバイル端末などの情報を扱う「コンシューマー分野」が7.7%減収だったものの、新規に注力している「エレクトロニクス分野(製造業)」が22.3%増と大きく成長した。「製造業はメーケティング活動のデジタル化・ネット化を急速に進めており、そのデジタルプロモーションを実施する媒体として『MONOist』『EE Times Japan』『EDN Japan』などの当社メディアが選ばれている」(大槻氏)とする。
15年3月期の見通しは、「エレクトロニクス分野」が、「当面は2ケタ成長が期待できる」(大槻氏)とする他、「IT分野は主要クライアントが自信を取り戻してきているという手応えがあるため0-10%成長が見込まれる。また、コンシューマー分野も前年度に7%減収で底打ちといえそうだ」と見通す。その結果、15年3月期の売上高は30億円(前期比3.8%増)、営業利益3億8千万円(同16.5%増)、当期純利益は2億4千万円(同18.7%増)としている。「消費増税の影響が広告費の抑制などにつながるリスクも考慮している」という。
なお、14年3月期から実施した配当は、期末に1株当たり4円を実施して年合計8円の計画。15年3月期は予想業績が達成できれば、中間・期末に各1円増配し、年間10円にしたいとしている。
アイティメディアは2014年4月28日、2014年3月期決算の説明会を東京証券会館で開催した。
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2014-04-28 14:30