ピクテ・ジャパンが40周年記念セミナー、オルタナティブからマルチアセットまで多様なプロダクトを紹介

ピクテ・ジャパンは11月10日、東京・大手町のフォーシーズンズホテル大手町で、設立40周年記念セミナーを開催した。1981年12月21日に日本拠点を開設し、本来であれば昨年度に開催する予定だったが、新型コロナウイルスによる混乱が止まぬ情勢だったため、やむなく昨年の開催を見送り、改めて本年度に開催したもの。同社代表取締役社長の萩野琢英氏(写真:左)は、「これまでの10年と、これからの10年は大きく異なる。今後もピクテが導き役となりうるのか、本日招いた講師から、ピクテが何を持っているのかをお届けします」と記念セミナー開催の意図を語った。また、ピクテ・アンド・シー・グループのマネージング・パートナーでピクテ・アセット・マネジメント共同CEOのロゴン・ラムゼイ(Laurent Ramsey)氏(写真:右)は、「ピクテは、『独立性』『長期的思考』『パートナーシップ』『責務』『起業家精神』などユニークな特性がある。これからも日本において、ピクテらしいサービスを提供していきたい」と語っていた。
セミナーは6つのテーマで行われた。「足元のマクロ環境下における不動産投資戦略」をテーマに講演したピクテ・オルタナティブ・アドバイザーズ不動産部門グローバル・ヘッド兼副CEOのショルツ・コハルミ(Zsolt Kohalmi)氏は、現在のインフレ率の高まり、金利上昇、ボラティリティの急騰という環境下において欧州の不動産に投資機会があると語り、欧州で成功している「バリューアッド投資(投資物件の改修による価値創造)」の実例を紹介した。また、同じくピクテ・オルタナティブ・アドバイザーズのマネージング・ディレクターでシニア・ヘッジファンド・アドバイザーのハインリッヒ・メルツ(Heinrich Merz)氏は、「ピクテのヘッジファンド投資」をテーマに講演した。特に、早い段階からヘッジファンドを投資に取り入れたピクテは、ヘッジファンドの運用者との広いコネクションがあり、主力のファンド・オブ・ファンズ「モザイク」で採用しているヘッジファンドの半数は既に新規資金の受入れを停止しているなど、長い経験があるピクテならではの優位性を伝えた。
ピクテ・アセット・マネジメントのチーフ・インベストメント・オフィサーのオリビエ・ジャングネ(Olivier Gingune)氏は、「セキュラーアウトルック~ピクテが考える今後5年間の投資環境~」をテーマに講演し、米国大型株への一極投資からの分散の重要性や「ベータではなくアルファによる収益機会の追求」が今後重要になると語っていた。また、ピクテ・アセット・マネジメントのマルチ・アセット運用スイス・チーム・ヘッドのエリック・ロセ(Eric Rosset)氏は「ピクテのマルチ・アセット・アロケーション戦略のご紹介」をテーマに、同社の代表的なマルチ・アセットファンドである「クアトロ」の運用体制や運用の考え方について解説した。
そして、ピクテ・アセット・マネジメントのESG(環境、社会、ガバナンス)チーム・ヘッドのエリック・ボレマンズ(Eric Borremans)氏は、「ピクテの責任投資」をテーマに講演し、近年はESG投資がパフォーマンスを押し上げる要因になっていることをデータを使って解説し、ピクテ独自のESGレーティングやアクティブ・オーナーシップについて説明した。最後に、ピクテ・ジャパンのシニア・フェローである市川眞一氏が「インフレ、円安、歴史的変化の下での投資環境」をテーマに講演し、世界的インフレと地政学的リスクを考慮した「インフレに強い資産」「金利上昇に強い資産」「地政学リスクの低い資産」、加えて、円安が続く可能性を考えた運用戦略を取りたいと語っていた。その中で先進国株式については成長株(グロース株)からバリュー株へのシフトを考えたいと語っていた。(情報提供:モーニングスター社)
ピクテ・ジャパンは11月10日、東京・大手町のフォーシーズンズホテル大手町で、設立40周年記念セミナーを開催した。(写真は、ピクテ・ジャパン代表取締役社長の萩野琢英氏(写真:左)とピクテ・アセット・マネジメント共同CEOのロゴン・ラムゼイ氏(写真:右))
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2022-11-14 10:15