【為替本日の注目点】パウエル議長の発言待ち

 ドル円は前日と同じ展開。アジアから欧州にかけて137円台後半まで売られたドル円は、NYでは138円85銭まで上昇。米長期金利の上昇がドルを支える。ユーロドルもドル高の流れから、1.0320まで売られる。株式市場はまちまち。朝方には上昇する場面もあったが、前日の地区連銀総裁のタカ派発言への警戒感が残り3指数はマイナス圏に。引けにかけてダウのみが小幅高で取引を終える。債券は続落。長期金利は3.74%台へ上昇。金と原油は買われる。 9月ケース・シラ-住宅価格指数 → 10.43%(前年同月比) 9月FHFA住宅価格指数 → 0.1% 11月コンファレンスボード消費者信頼感指数 → 100.2 ドル/円 138.05 ~ 138.85 ユーロ/ドル 1.0320 ~ 1.0385 ユーロ/円  143.01 ~ 143.52 NYダウ +3.07 → 33,852.53ドル GOLD +8.40 → 1,763.70ドル WTI +0.96 → 78.20ドル 米10年国債 +0.063 → 3.744% 【本日の注目イベント】 豪 10月住宅建設許可件数 日 10月鉱工業生産 中 11月中国製造業PMI 中 11月中国サービス業PMI 独 11月雇用統計 欧 ユーロ圏11月消費者物価指数(速報値) 米 7-9月GDP(改定値) 米 11月ADP雇用者数 米 11月シカゴ購買部協会景気指数 米 10月求人件数 米 10月中古住宅販売成約件数 米 ベージュブック(地区連銀経済報告) 米 ボウマン・FRB理事講演  米 クック・FRB理事講演 米 パウエル・FRB議長講演  パウエル議長の講演や、今週末には雇用統計を控え、様子見気分が強まる環境の中でもドル円は相変わらず神経質な動きを見せ、しかも値幅もそこそこあります。昨日も前日とほぼ同じような動きを見せ、NY市場からは139円台で帰ってきても東京市場ではドル売り意欲が強く、ドル円は138円台に押し戻される展開でした。さらに欧州市場に入るともう一段のドル売りが見られ、前日同様、NY市場にかけては137円台後半を試す動きになっています。これまでに比べ、1日に2~3円といった大きな値動きは見られないものの、落ち着きどころを探りながら137-139円のレンジ内で上下しています。中国の抗議デモは当局が警察を大量配備したことで鎮静化の兆しを見せていますが、NY株式市場は相次ぐタカ派発言の影響も残り、「リスクオフ」の流れが優勢になっています。株価は軟調で、債券も売られたことで金利上昇を材料にドル円は、NYでは連日底堅い動きが続いています。  まずまずの売上げを記録した「ブラックフライデー」でしたが、それに次ぐ「サイバーマンデー」も、アドビによれば「最大116億ドル(約1兆7200億円)」と、1日のオンラインショッピングとしては過去最高となる見込みのようです。大幅な値引きが高インフレに苦しむ消費者を引き付けたようで、ブルームバーグは「サイバーファイブと呼ばれる商戦期(感謝祭から翌週月曜日までの期間)は2021年とは様変わりだ。昨年は、サプライチェーンの混乱で消費者が買い物の前倒しを迫られ、小売り業者は値引きを渋った。これに対して、今年は過剰な売れ残り品を抱える店側が、食料品、光熱費高騰の負担を埋め合わせるためバーゲン品を狙う消費者の呼び込みに向け、大幅な値下げを強いられている」とコメントしています。人手不足に伴う賃金の高騰が、個人消費と労働市場の底堅さを支えている構図が見て取れます。  日増しに気温が下がり、夜には外の気温が零下にまで下がることも珍しくなくなってきたウクライナでは、ロシアの発電施設への攻撃で、寒さの中「節電」を強いられています。ウクライナの国営電力会社は、同国の発電量は、需要の73%まで低下していることを明らかにしています。天候悪化で電力需要が増える中、急速に電力不足が広がっているようです。NATOのストルテンベルグ事務総長は「ロシアのプーチン大統領がウクライナのエネルギーインフラを攻撃して住民から電力や暖房を奪うことで、冬を『武器』として利用している」と非難しています。同国のゼレンスキー大統領も、「ロシアがミサイルを保有している限り静まることはないだろう。今週は先週と同じくらい厳しい週になる可能性がある」とビデオ演説で述べています。ロシア側もこれまでに失った兵力の数は、負傷者や脱走者などを含めると10万人に達しており、これは侵攻開始時の兵力の5割にも及ぶと言われています。さらに弾薬の不足や、戦車など攻撃車両も多く破壊されており、劣勢に立たされていることは疑いのないところです。このような状況の中プーチン氏は、最後の切札として「食料とエネルギー」を標的にしてきたのではないかと考えられます。軍事専門家の一人は、「この冬が一つのヤマ場となる」と分析しています。  注目のパウエル議長の講演は、現地時間(est)13時30分~14時30分(日本時間12月1日、5時半~6時半)の予定です。  本日のドル円は137円~139円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は前日と同じ展開。アジアから欧州にかけて137円台後半まで売られたドル円は、NYでは138円85銭まで上昇。米長期金利の上昇がドルを支える。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-11-30 10:00