【為替本日の注目点】米12月の消費者マインド大幅に改善

ドル円はやや落ち着きを取り戻す。131円台に押し戻される局面はあったものの、概ね132円台で推移。ユーロドルも引き続き1.06台で推移。株式市場は大幅に続伸。消費者マインドの改善やナイキなど好決算を発表した銘柄が上昇をけん引。ダウは526ドル上げ、S&P500も56ポイント高。債券は小幅に反発。長期金利は3.66%台へと低下。金は前日比変わらず。原油は2ドルを超える上昇に。
経常収支(7-9月) → -217.1b
11月中古住宅販売件数 → 4.09万件
12月コンファレンスボード消費者信頼感指数 → 108.3
ドル/円 131.75 ~ 132.53
ユーロ/ドル 1.0590 ~ 1.0646
ユーロ/円 139.91 ~ 140.77
NYダウ +526.74 → 33,376.48ドル
GOLD ±0 → 1,825.40ドル
WTI +2.06 → 78.29ドル
米10年国債 -0.021 → 3.662%
本日の注目イベント
日 10月景気先行指数(CI)(改定値)
トルコ 中銀政策金利発表
英 7-9月期経常収支
英 7-9月期GDP(改定値)
米 新規失業保険申請件数
米 7-9月GDP(確定値)
米 11月景気先行指標総合指数
「黒田ショック」から一夜明けて、市場はやや落ち着きを取り戻して来たようです。ドル円はここ24時間では、131円台まで売られる場面は何度かあったものの、おおむね132円台で推移しています。一方、今回の長期金利の変動幅引き上げが、「実質的な利上げ」と受け止められていることから、国内の債券市場では債券を売る流れが止まらず、金融政策の見通しが反映されやすいとされる2年債は、7年ぶりにプラス圏に浮上し、今後の利上げを織り込む動きとなっています。また10年債は0.48%台まで上昇し、今回日銀が許容した「0.5%」に迫る水準に近づいてきました。
NYでも目立った動きはなく、株式市場だけが大きく変動しています。ダウは前日比526ドル高と続伸し、3万3000ドルの大台を回復しています。フェデックスやナイキが好決算をたたき出したことに加え、12月の消費者マインドが大きく改善したことが材料になりました。12月の同指数は「108.3」と、市場予想の「101」を大きく上回り、今年4月以来の高水準でした。同指数は今年1月の「113.8」からほぼ一貫して下落基調が続き、7月には「95.3」と、節目の「100」を割り込んでいました。今後6カ月の見通しを反映する期待指数も「82.4」と、今年1月以来のいい数字を示しています。コンファレンスボードの担当者は、「最近のガソリン価格の下落が大きな要因だ」と述べています。車社会の米国では、ガソリン価格の推移が家計にも直接影響を及ぼすことから、一時ガロン当たり5ドルを超えていた価格が3ドル台まで低下したことが消費者のマインドを明るくさせたようです。
ウクライナのゼレンスキー大統領は2月のロシアによる軍事侵攻後初めてウクライナを離れ、ホワイトハウスでバイデン大統領と会談しました。バイデン氏はジル夫人とホワイトハウスの執務室でゼレンスキー氏を迎え、会談を行いました。ゼレンスキー氏は、ロシアの侵攻から「300日だ。信じがたい」と語り、「その間に、プーチン大統領は、ウクライナが国家として存続する権利と罪のないウクライナ国民に残虐な攻撃を行った」と非難しました。これに対してバイデン氏は、プーチン氏がウクライナの電力や水道など、民間インフラをミサイルやドローンで砲撃することで、「冬を兵器として利用しようとしている」と指摘。「だが、ウクライナ人は世界を奮い立たせ続けている」と述べ、「米国は正義の平和を求める」と語っています。バイデン政権はこの日、ウクライナに地対空ミサイル「パトリオット」を含む18億5000万ドル(約2450億円)の追加軍事支援を発表しています。
プーチン氏は21日、モスクワで開かれた国防省の年次会合で、「ロシアとその政府は、軍の要求に全て応じる。全てだ」と述べ、ウクライナでの戦争に使う軍事費に「制限がない」ことを強調しています。また、「11カ月目に近づく侵攻で、自身が掲げた目標を実現するよう軍に促した」(ブルームバーグ)と伝えられています。一方、ロシアの前大統領のメドベージェフ安全保障会議副議長は中国を訪れ、習近平国家主席と会談しています。会談で習氏は、ウクライナ問題を巡って「関係各方面が理性と抑制を保つことを望む」と述べ、「全面的な対話によって、政治的に解決すべきだ」と強調したと、中国国営の新華社が報じています。
市場は日銀のサプライズ発表を消化しつつあります。やや落ち着きを取り戻し、今日辺りからクリスマス休暇入りを感じさせる雰囲気にもなってきそうです。ただ、今年は明らかに例年と異なる動きを見せているドル円です。このまま凪に転じることはないかもしれませんが、注意しながらもやや一息つけそうな雰囲気です。
本日のドル円は131円50銭~133円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円はやや落ち着きを取り戻す。131円台に押し戻される局面はあったものの、概ね132円台で推移。ユーロドルも引き続き1.06台で推移。株式市場は大幅に続伸。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-12-22 10:15