【為替本日の注目点】米11月PCE価格指数、鈍化するも小幅

ドル円はPCE価格指数が予想された程低下していなかったことから続伸。133円13銭までドル高が進む。市場参加者が少ないこともあり、ユーロドルは小動き。引き続き1.06を挟む展開に。株式市場は3指数が揃って反発したものの、上昇幅は限定的。S&P500は22ポイントの上昇。債券は続落。長期金利は3.74%台に上昇。金と原油は揃って上昇。
11月耐久財受注 → -2.1%
11月個人所得 → 0.4%
11月個人支出 → 0.1%
11月PCEデフレータ(前月比) → 0.1%
11月PCEデフレータ(前年比) → 5.5%
11月PCEコアデフレータ(前月比) → 0.2%
11月PCEコアデフレータ(前年比) → 4.7%
12月ミシガン大学消費者マインド(確定値) → 59.7
11月新築住宅販売件数 → 64.0万戸
ドル/円 132.53 ~ 133.13
ユーロ/ドル 1.0593 ~ 1.0632
ユーロ/円 140.71 ~ 141.21
NYダウ +176.44 → 33,203.93ドル
GOLD +8.90 → 1,804.20ドル
WTI +2.07 → 79.56ドル
米10年国債 +0.058 → 3.747%
【本日の注目イベント】
日 黒総裁、経団連で講演
欧米 主要市場休場
11月のPCE価格指数は、消費者物価指数(CPI)と同様に、物価上昇圧力の緩和とインフレの頭打ちを示唆しましたが、鈍化傾向はいまいちでした。PCEデフレータは市場予想と一致の「5.5%」で、コア指数は「4.7%」でした。(いずれも前年同月比)ブルームバーグのエコノミストは、「力強い賃金収入と実質所得は、労働市場がまだ意味ある形で落ち着いていないことを示唆する。この統計を受けて、フェデラルファンド(FF)金利は最終的に5%を超えるとの見解を金融当局が撤回する可能性は低い」と指摘しています。一般的には、PCE価格指数はCPIよりも緩やかに減速すると考えられており、米金融当局はコア指数が来年末までに3.5%前後まで低下すると予想しています。先週末のNYではコア指数が思ったほど低下していなかったことや、ミシガン大学消費者マインドも速報値から上方修正されたことで、「FRBの利上げスタンスに変化はない」との見方から長期金利が上昇。ドル円は133円台まで買われる場面がありました。
中国国家衛生健康委員会は25日、新型コロナウイルス感染の日次データ公表を取りやめることを発表しました。同委員会は声明で、方針変更の理由は示しませんでしたが、中国疾病予防コントロールセンター(中国CDC)が研究用などにコロナ関連情報を公表するとしています。ブルームバーグニュースは先週、最大で中国の人口の18%近くに相当する2億4800万人が12月1-20日に感染した模様だと報道しており、この数字が
正確であれば、先週1日当たりの感染者数が3700万人近くになった可能性があると伝えています。同数字は、国家衛生健康委員会の内部資料に掲載されたものをベースに推計されています。実際に、上海に隣接する浙江省では1日当たりの新規感染者数が100万人を超えており、ピークには200万人に達するとみられています。中国本土全体をまとめた公式のデータでは23日の新規感染者はわずか4103人で、実際の数字とは大きく異なっています。今回の日次データの公表とりやめも、こうした桁違いの数字を背景に中止した可能性もありそうです。その中国が来年の米中関係を「再調整」と位置付け、正しい方向に持って行く方針を示しています。王毅外相は25日、外交に関するシンポジウムで、「われわれ中米の首脳間で合意された共通の理解を実行に移し、二国間関係を正しい方向に戻すよう取り組む」と語っています。習近平国家主席は先月、インドネシアのバリ島でバイデン大統領と初めて対面で会談を行っており、その後目立った成果は出ていないものの、外交関係の修復を模索しているものと受け止められています。2023年にはその成果が出て来るのか注目されます。
筆者が毎日利用しているブルームバーグ社が、米通信大手のダウ・ジョーンズか、米紙ワシントン・ポストの買収に関心を示していることが明らかになりました。同社の創業者マイケル・ブルームバーグ氏が明らかにしたもので、どちらかの買収に成功すれば、巨大情報会社が誕生することになります。ブルームバーグ氏は、2020年大統領選の際、民主党の候補者として名乗りを上げ、最後に辞退した経緯があります。
本日はクリスマスの祝日の振替休暇で市場参加者が少なく、配信レートのスプレッドが拡大するものと思われます。ドル円は132円10銭~133円50銭程度を予想します。
(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
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ドル円はPCE価格指数が予想された程低下していなかったことから続伸。133円13銭までドル高が進む。市場参加者が少ないこともあり、ユーロドルは小動き。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-12-26 10:00