【為替本日の注目点】ドル円134円台半ばまで上昇

東京市場で134円台に乗せたドル円はその後133円台に押し戻されたものの、NYでは再び134円に乗せ続伸。長期金利の上昇もあり、134円50銭までドル高が進む。ユーロドルは堅調に推移し、1.06台で変わらず。株式市場は3指数が大幅に続落。中国の「ゼロコロナ政策」の終了が世界中で感染拡大につながるとの警戒感が広がる。ダウは365ドル下げ、3万3000ドルの大台を割り込む。債券は続落し、長期金利は3.88%台まで上昇。金は3日ぶりに反落。原油は小幅に上昇。
11月中古住宅販売成約件数 → -4.0%
ドル/円 133.56 ~ 134.50
ユーロ/ドル 1.0607 ~ 1.0675
ユーロ/円 142.14 ~ 142.86
NYダウ -365.85 → 32,875.71ドル
GOLD -7.30 → 1,815.80ドル
WTI +0.57 → 78.96ドル
米10年国債 +0.042 → 3.883%
本日の注目イベント
欧 ECB経済報告
米 新規失業保険申請件数
先週から何度も取り上げている中国での「コロナ感染の急拡大」が、2023年にも世界の景気に悪影響を与えるとの懸念が浮上し、金融市場では早くも警戒感が広がっています。イタリア・ミラノの保健当局は28日、中国からの航空便2便の乗客のほぼ半数が新型コロナウイルス検査で陽性だったことを明らかにしました。ミラノ地域保健局の責任者は会見で、北京発と上海発の航空機でそれぞれ到着した乗客の検査を空港当局が実施したと説明し、イタリア保険省は、この検査結果のゲノム解析を行っていると発表。そこで新たな変異株が検出されれば、中国からの渡航に厳格な制限を課す可能性があるとしています。これを受けてイタリア政府は中国から到着する航空便について、全乗客の検査を義務付けることを命じています。また米国でも、複数の連邦保健当局者は28日、中国から直接入国する人のほか、米国に向け出発する10日以内に中国滞在歴がある人も、PCRないし抗原検査による陰性証明が必要になると話しています。この措置は米東部時間2023年1月5日午前0時1分から実施されるとしています。
このように、中国の「ゼロコロナ政策」緩和後、感染拡大を巡る懸念が世界で広がっており、今後欧州やアジアの他の国でも同様な措置を取る可能性も指摘されています。ただ一方で、中国では感染者の急増を受けて経済が3月末にかけてさらなる混乱に見舞われる可能性が高いものの、コロナ規制を緩和したことでその後は回復が速まり、力強さも増す可能性が高いと見られています。「経済損出は春節(旧正月)、その前後に集中しそうで、迅速な方針転換により一層着実な経済回復への道が開かれる」と予想しているシティのコメントを、ブルームバーグは紹介しています。
昨日の海外では多くの市場で、この影響を受けています。NY株式市場ではダウが365ドル安になるなど、主要指数は大きく下げ、リスク回避の流れからドル円でも円売りが優勢となり、134円50銭までドル高が進んでいます。
米国ではコロナ感染拡大に対する懸念に加え、大寒波による景気減速懸念も浮上しています。記録的な寒波はテキサス州からNY市に至る広範囲に広がっており、大寒波の影響から多くの航空会社が運航に支障をきたしています。中でも特にサウスウエスト航空の立ち遅れが目立っているようです。同社は27日には運航予定本数の約3分の2を欠航しており、ホリデーシーズンに入っている米国民の不評を買っています。米運輸省も、同社の欠航率は「容認できない」として調査に乗り出す方針です。
ドル円は先週20日、日銀によるイールドカーブ・コントロール(YCC)の修正発表後に130円57銭までドル安が進みましたが、その後は大きな動きにはつながらず、小動きの中、ドルを買い戻する流れになっています。「閑散に売りなし」という格言がありますが、このような状況では実需のドル買いが優るようです。20日の発表前には137円40銭近辺で取引されていましたので、下げ幅は6円83銭ほどになります。すでにこの下落幅の半値(133円99銭)は達成しており、次は61.8%戻しに当たる134円79銭が目先のターゲットになろうかといったところです。135円台に乗せれば、市場のセンチメントにもやや変化が出て来ると考えますが、年末にかけてそのような動きになるかどうかを注視しています。本日のドル円は133~134円80銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
東京市場で134円台に乗せたドル円はその後133円台に押し戻されたものの、NYでは再び134円に乗せ続伸。長期金利の上昇もあり、134円50銭までドル高が進む。ユーロドルは堅調に推移し、(イメージ写真提供:123RF)
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2022-12-29 10:45