ピックルスコーポは出直りの動き鮮明、中期成長力を評価して高値圏目指す
漬物やキムチ製品の最大手ピックルスコーポレーション <2925> (JQS)の株価は出直りの動きを鮮明にしている。野菜価格高騰という一過性要因のマイナス影響が一巡し、中期成長力や指標面の割安感を評価して高値圏を目指す展開だろう。
漬物、浅漬・キムチ製品、惣菜など漬物製品の最大手メーカーである。主力の「ご飯がススムキムチ」シリーズのブランド力が大幅に向上し、独自研究の植物性乳酸菌「ピーネ12」を使用した「生きて腸まで届くピーネ乳酸菌キムチ」や「トマトキムチ」(14年5月発売予定)などの新製品投入、さらに成長市場である惣菜製品の商品開発も強化している。セブン&アイ・ホールディングス <3382> などの量販店・コンビニが主要取引先であり、ブランド力向上や新製品投入効果で中期成長期待が高まる。
事業エリア拡大や供給能力増強に向けた動きも加速している。中・四国エリアでの事業拡大に向けて、広島新工場(ピックルスコーポレーション関西)が13年6月から製品出荷を開始した。また北海道エリアでの事業拡大に向けては、既存の食品工場を買い取った札幌新工場(ピックルスコーポレーション札幌)が14年6月に稼働する。
4月15日に発表した前期(14年2月期)の連結業績は、売上高が前々期比6.6%増の256億48百万円、営業利益が同6.9%減の8億52百万円、経常利益が同0.3%減の9億71百万円、純利益が同6.7%増の6億08百万円だった。13年夏~秋の猛暑や台風など天候不順の影響による原料野菜価格の高騰や、テレビCMなど広告宣伝費の増加で営業減益だったが、売上高はほぼ計画水準どおりで好調に推移した。
製品別の売上高は、浅漬・キムチが同1.7%増の115億01百万円、惣菜が同36.1%増の47億43百万円、ふる漬が同3.1%減の6億14百万円、漬物が同1.8%増の87億88百万円だった。成長分野の惣菜が急拡大し、主力の浅漬・キムチおよび漬物も堅調だった。販路別売上高は、外食他が同7.4%増の25億84百万円、コンビニが同6.8%増の41億89百万円、量販店・問屋他が同6.4%増の188億74百万円だった。各販路とも好調に推移した。
今期(15年2月期)連結業績見通しについては、売上高が前期比6.4%増の273億円、営業利益が同32.5%増の11億30百万円、経常利益が同26.0%増の12億25百万円、純利益が同21.3%増の7億38百万円、配当予想は前期と同額の年間12円(期末一括)としている。浅漬・キムチや惣菜の販売が引き続き好調に推移し、野菜価格の高騰という一過性のマイナス要因も一巡する。さらに原価低減効果、広島新工場の効率改善効果も寄与して増収、大幅営業増益の見込みだ。
キムチ製品や惣菜製品のブランド力向上、既存取引先の深耕と新規取引先の開拓、新製品の開発や他の食品メーカーとのコラボレーション、事業エリア拡大、供給能力増強、契約栽培の拡大による原料野菜の安定調達、原材料購買方法の見直しなどの重点戦略で中期的に収益拡大基調だろう。
なお4月15日に発表した自己株式取得(取得株式総数の上限40万株、取得価額総額の上限3億20百万円、取得期間4月16日~4月30日)については、4月18日に東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)によって30万株(取得価額2億43百万円)を取得して終了した。
株価の動きを見ると、1月の戻り高値978円から反落して3月以降は概ね670円~720円近辺でモミ合う展開だったが、4月11日に付けた直近安値665円から急反発して4月17日と4月18日の810円まで上伸した。足元も770円~780円近辺で推移して出直りの動きを鮮明にしている。4月15日発表の今期大幅営業増益見通しや自己株式取得を好感する動きだ。
4月28日の終値770円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS115円54銭で算出)は6~7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.6%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1146円90銭で算出)は0.7倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線と52週移動平均線を一気に突破して強基調へ転換の動きを強めている。指標面の割安感も支援材料であり、26週移動平均線を突破すれば上げ足を速めて13年10月高値995円を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
漬物やキムチ製品の最大手ピックルスコーポレーション<2925>(JQS)の株価は出直りの動きを鮮明にしている。野菜価格高騰という一過性要因のマイナス影響が一巡し、中期成長力や指標面の割安感を評価して高値圏を目指す展開だろう。
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2014-04-30 08:00