超低コストの「SOMPO123 先進国株式」がインデックスを上回る、長期積立投資に適合することを実証

 株式を投資対象とした公募投信(ETF除く)で実質最低水準(期間限定除く、成功報酬型除く)の信託報酬である年0.077%(税込み)で運用する「SOMPO123 先進国株式」が設定から1年を経過した。日本を除く先進国の株式を投資対象とし、原則として概ね123銘柄程度に分散投資するアクティブファンドだ。投資銘柄数を絞り込んで運用の特徴を際立たせるアクティブファンドが多い中、100を超える銘柄に分散投資する手法は、当初から資産運用に詳しい投資家の間で「MSCIコクサイ指数」に連動するインデックスファンドの代替となる商品として注目されてきたが、過去1年間の運用実績は「MSCIコクサイ指数」を上回る結果になった。同ファンドを設定・運用するSOMPOアセットマネジメントのリテール営業部営業推進グループリーダーの熊谷達則氏(写真)に、設定来の運用状況を聞いた。  ――「SOMPO123 先進国株式」は2021年12月21日の設定から1年を経過し、2022年12月末現在で過去1年間のトータルリターンがマイナス2.23%と、同期間の「MSCIコクサイ(配当込み、円ベース)」のマイナス5.12%を2.90%も上回る成績になりました。これは、モーニングスターカテゴリー「国際株式・グローバル・除く日本・為替ヘッジなし)」に分類される197本のファンドの中で40位(%ランクで21%)になります。リスク(標準偏差)はカテゴリー平均(20.79)より低い17.54(%ランクは15%)となり、リスクを抑えつつ平均を大きく上回る運用成績を実現しました。  運用成績については、設定後半年を経過した時点で、2022年6月末までの6カ月間でファンドのパフォーマンスがマイナス2.34%であり、「MSCIコクサイ指数」のマイナス4.55%を2.21%アウトパフォームする結果でしたから、その当時と同じように、インデックスを上回るパフォーマンスを実現できています。  2022年は欧米諸国で金融引締めが加速したことによって、景気の減速懸念が台頭し、先進国株式市場にとっては厳しい運用環境になりました。米ドルベースでの「MSCIコクサイ指数」は1年間でマイナス18.39%と大きな下落になったのですが、この間は円安が進んだために、円換算ベースでは現地通貨ベースと比較して下落率は小さくなりました。  一般的にインデックスファンドのパフォーマンスは、インデックスに対して信託報酬分がマイナスになりますが、当ファンドでは信託報酬控除後でインデックスを上回る成績になりました。当社の銘柄選定の効果が表れた成績になったと思います。  ――実際に国内を代表する低コストのインデックスファンドの過去1年間のトータルリターンはマイナス5.4%台ですので、インデックスのマイナス5.12%を下回っています。インデックスを上回る成績が実現できた理由は?  当ファンドでは組入れ銘柄を選ぶ際に、信用格付けの低い投資適格未満の企業は除外した上で、時価総額の大きい銘柄を中心にポートフォリオを構築しております。 たとえば、当ファンドのポートフォリオの特徴の一つとして、米国のEV大手「テスラ」を現在組み入れておりません。テスラは時価総額も大きく、「MSCIコクサイ指数」では上位の組み入れ銘柄になりますが、信用格付けが低いため、現時点では組入れ銘柄を抽出する過程で除外しております。 「テスラ」の株価は、2022年に60%程度も下落したため、「テスラ」を保有していないことが、インデックスをアウトパフォームする要因の1つになりました。  また、当ファンドと「MSCIコクサイ指数」の値動きを比較すると、「MSCIコクサイ指数」が下落する局面ではファンドの基準価額の下落が抑えられ、反対に、指数が上昇する局面ではファンドが若干劣後するという傾向があります。これは、当ファンドが信用力の高い大型株で構成されているというポートフォリオの性格を反映した動きです。2022年は、市場のボラティリティ(価格変動率)が大きく、下落基調が続いた市場でしたので、「MSCIコクサイ指数」をアウトパフォームする結果になりました。  ――先進国の株式市場は米国のリセッション(景気後退)懸念から軟調な状態が続いています。このような不安定な市場にあっては、当ファンドのような信用力の高い銘柄で構成されたファンドに良いパフォーマンスが期待できます。今後とも「MSCIコクサイ指数」を上回るパフォーマンスが続くと期待しても良いのでしょうか?  2022年のような下落相場になれば、下落に強い特性が発揮されて「MSCIコクサイ指数」をアウトパフォームする可能性は高いと考えますが、反対に、指数が急上昇するようなことになれば、ファンドのパフォーマンスは指数に劣後する可能性があると思います 。当ファンドは、「MSCIコクサイ指数」を参考指数とし、同指数が1300銘柄前後 に投資していることに対し、123銘柄に投資することで、コストを抑えて同指数に近いパフォーマンスが得られるようにしています。  また、コストを抑えるため、目論見書や運用報告書などを印刷することなく、電子開示しています。このため、オンライン販売専用のファンドになっています。設定当初は、当ファンドのコンセプトは理解していただけても、「本当に狙い通りにMSCIコクサイ指数と同じようなパフォーマンスが実現できるのか?」という疑問の声を多くいただきました。設定から1年を経過し、ファンドは概ね「MSCIコクサイ指数」に連動する動きをしながら、同指数が下落する時には下落率が抑えられ、同指数の上昇時には同指数と同じがやや劣後することが確認できました。  つみたてNISAなどを通じて長期にわたって積立投資を検討されている投資家の方々は、低コストのインデックスファンドを使った投資を志向されています。長期投資で良い運用成績を実現するためには、市場の下落局面で価格が大きく落ち込まないことが重要です。設定来の運用成績を見ていただいて、当ファンドが中長期の積立投資に活用できるファンドであると感じていただけるとありがたいと思います。つみたてNISAの対象になるのは、設定から5年以上の期間が必要ですが、2024年から始まる新しいNISAでは、当ファンドも「成長枠」で活用していただくことが可能になります。ぜひ長期の資産形成に、当ファンドをお役立てください。
「SOMPO123 先進国株式」を設定・運用するSOMPOアセットマネジメントのリテール営業部営業推進グループリーダーの熊谷達則氏(写真)に、設定来の運用状況を聞いた。
economic company
2023-01-20 17:15