インテリジェントウェイブは下値固め完了して出直り

  システム開発のインテリジェントウェイブ <4847> (JQS)の株価は安値圏ボックス展開だが徐々に水準を切り上げている。4月23日に発表した今期(14年6月期)利益見通し減額に対する反応は限定的であり、下値固めが完了したようだ。来期(15年6月期)の収益改善を期待して出直り展開だろう。なお5月8日に第3四半期累計(13年7月~14年3月)の業績発表を予定している。   大日本印刷 <7912> の連結子会社で、金融機関向けカードビジネスのフロント業務、システムソリューション業務、セキュリティシステム業務、その他業務(パッケージ製品販売などの新規事業分野)を展開している。クレジットカード会社、ネット銀行、証券会社など金融関連のシステム開発受託・保守サービスが収益柱だ。   中期的には、マイナンバー制度導入に伴う開発案件などの受注増加が期待され、フロント業務関連から精算システムなどの基幹業務関連への領域拡大、ビッグデータ関連への参入なども目指している。14年2月にはジーフィー(GIFI)と個人投資家向け次世代オンライントレードシステム分野で業務提携した。   新規事業では自社開発コミュニケーションツール「Face(フェイス)コンシェル」の販売を強化する。口語解析技術を駆使したコンシェルジュ(画面上の人物画)が簡単な質問に自動応答するシステムで、企業のウェブサイトの満足度を高めるツールとして、すでに全日本空輸のウェブサイト「よくある質問」ページにQ&AナビゲーターAmy(エイミー)として導入されている。親会社の大日本印刷との営業連携強化で受注拡大が期待される。   4月23日に今期(14年6月期)連結業績見通しの修正(売上高を増額、利益を減額)を発表した。売上高は5億円増額して前期比10.7%増の65億円、営業利益は2億30百万円減額して1億70百万円(前期は6億77百万円の赤字)、経常利益は2億10百万円減額して1億90百万円(同5億87百万円の赤字)、純利益は1億60百万円減額して90百万円(同3億49百万円の赤字)とした。   クレジットカード業界ではシステム更新、ハードウェア置き換え、ブランドプリペイドカードやモバイル端末決済など新たな決済サービス提供に向けた投資が高水準であり、売上高に関しては主要顧客に対するソフトウェア開発やハードウェア販売が期初計画を上回るようだ。一方で、セキリュティシステム業務とその他業務(新規事業)の製品・商品販売が期初計画を下回る見込みとなったため、利益を減額修正した。   ただし、不採算案件発生に伴う外注費増加がほぼ終息したため、通期ベースでの営業損益改善に変化はないようだ。クレジットカード・金融業界のシステム更新需要は高水準であり、来期(15年6月期)は、セキュリティ業務の情報漏洩対策ソリューション「CWAT」や新規事業の「Faceコンシェル」の販売増加も期待されるだろう。   株価の動き(14年1月1日付で株式100分割)を見ると、全般地合い悪化も影響して2月安値239円を付け、その後は概ね250円~290円近辺のレンジでボックス展開だ。ただし徐々に下値を切り上げて出直りの動きを強めている。4月23日発表の今期利益見通し減額に対する反応も限定的であり、足元は概ね270円~280円近辺で推移している。下値固めが完了したようだ。   4月28日の終値275円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS3円42銭で算出)は80倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は1.8%近辺、実績PBR(前期実績に株式分割を考慮した連結BPS168円83銭で算出)は1.6倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線を突破して、強基調へ転換の動きを強めている。ボックスレンジから上放れて出直りの動きが本格化しそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
システム開発のインテリジェントウェイブの株価は安値圏ボックス展開だが徐々に水準を切り上げている。
economic
2014-04-30 08:00