東洋ドライルーブは下値を確認して反発のタイミング、低PER・低PBRも評価
ドライルーブ製品コーティング加工の東洋ドライルーブ <4976> (JQS)の株価は、地合い悪化も影響してモミ合い下放れの形となったが、足元では切り返しの動きを強めている。下値を確認した形であり、低PERと低PBRも評価して反発のタイミングだろう。第3四半期累計(13年7月~14年3月)業績発表が接近して期待感が高まる可能性もあるだろう。
ドライルーブ(固体皮膜潤滑剤)製品のコーティング加工を主力として、その他事業ではナノカーボン製品の製造販売も展開している。ドライルーブとは二硫化モリブデン、フッ素樹脂、グラファイトなどの潤滑物質と各種特殊バインダーをハイブリッドに配合し、各種溶剤または水に分散させた有機結合型の多機能皮膜である。耐摩耗性に優れているため自動車機器、デジタル家電、デジタルカメラなどの駆動伝達部で、オイルやグリースなどの液体潤滑剤を使用できない部位にコーティング皮膜として使用される。中期成長に向けた事業戦略として新製品開発とアジア・グローバル展開を推進している。
今期(14年6月期)連結業績見通し(13年8月5日公表)は売上高が前期比5.6%増の50億05百万円、営業利益が同14.2%増の4億15百万円、経常利益が同17.3%減の4億60百万円、純利益が同9.3%減の2億89百万円としている。ドライルーブ事業の需要先別売上高の計画は自動車が同2.8%増の35億51百万円、電子部品が同16.4%増の4億69百万円、光学機器が同9.9%増の4億31百万円、その他が同13.2%増の5億33百万円としている。
営業外での外貨建て資産為替評価益の減少を見込んで経常減益、最終減益の計画だが、主力の自動車機器向けが好調に推移し、海外子会社での光学機器向け受注増加も寄与して増収営業増益見込みだ。第2四半期累計(13年7月~12月)の進捗率は概ね順調な水準であり、さらに円安進行すれば上振れの可能性もあるだろう。
株価の動きを見ると、全般地合い悪化の影響も受けて1600円~1700円近辺でのモミ合い展開から下放れの形となり、4月11日には1505円まで下押す場面があった。ただし13年9月の安値1490円を割り込むことなく、足元では1500円台半ばまで戻して切り返しの動きを強めている。下値を確認した形だろう。
4月28日の終値1554円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS218円87銭で算出)は7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は1.9%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS3945円33銭で算出)は0.4倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、13年8月安値1500円、13年9月安値1490円、そして14年4月安値1505円で下値支持線を形成したようだ。低PERと低PBRも評価して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
ドライルーブ製品コーティング加工の東洋ドライルーブ<4976>(JQS)の株価は、地合い悪化も影響してモミ合い下放れの形となったが、足元では切り返しの動きを強めている。
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2014-04-30 08:15