巴工業は戻り一服だが下値は切り上げ、収益改善や低PBRを評価して出直り
化学機械メーカーの巴工業 <6309> の株価は、足元の地合い悪化の影響などで戻り一服の展開となったが、下値は着実に切り上げている。収益改善や低PBRを評価して出直り展開だろう。
遠心分離機械を中心とする機械製造販売事業、合成樹脂や化学工業薬品などを中心とする化学工業製品販売事業を2本柱としている。中国ではコンパウンド加工事業も展開し、13年11月には中国の連結子会社・星科工程塑料に対するテクノポリマーおよび日本カラリングの出資持分をすべて譲り受けた。両社との資本・業務提携を解消し、当社主導で収益を立て直す方針だ。
13年12月に策定した中期経営計画「Target2016」では、経営目標値として16年10月期売上高475億円、営業利益25億80百万円、経常利益26億円、純利益16億円、ROE6.3%、ROA4.4%を掲げている。重点戦略としては、北・南米市場や東南アジア市場を中心とする海外売上高の拡大に加えて、機械事業ではエネルギー分野への参入、化学品事業では二次電池・パワー半導体向け商材の開拓などに取り組むとしている。
今期(14年10月期)の連結業績見通し(13年12月12日公表)については、売上高が前期比8.2%増の413億円、営業利益が同27.3%増の19億30百万円、経常利益が同22.0%増の20億50百万円、純利益が同42.7%増の12億円としている。セグメント別売上高の計画は、機械製造販売事業が北・南米の石油化学分野への販路拡大などで同29.9%増の121億円、化学工業製品販売事業が東南アジア市場での新規顧客開拓などで同1.2%増の292億円としている。
第1四半期(11月~1月)は機械製造販売事業で収益性の低い案件の売上計上があったが、化学工業製品販売事業で高採算商材が好調に推移して営業損益が改善した。さらに中国のコンパウンド加工事業に係る少数株主持分取得に伴う特別利益計上も寄与して増収増益だった。設備投資需要の回復や中国のコンパウンド加工事業の収益改善などで好業績が期待される。
株価の動きを見ると、3月17日の直近安値1567円から切り返して4月2日の1763円まで戻したが、地合い悪化の影響などで反落し4月15日に1616円、4月28日に1625円まで調整して戻り一服の展開となった。ただし3月17日の1567円まで下押す動きは見られない。下げ渋り感を強めて下値を切り上げる形だ。今期の収益改善を評価する動きだろう。
4月28日の終値1635円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS120円26銭で算出)は13~14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間45円で算出)は2.8%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS2340円34銭で算出)は0.7倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下げ渋り感を強めている。サポートラインを確認した形だ。13年8月と9月の1405円をボトムとして着実に下値を切り上げる形であり、足元の短期調整が一巡して出直り展開だろう。低PBRも支援材料だ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
化学機械メーカーの巴工業<6309>(東1)の株価は、足元の地合い悪化の影響などで戻り一服の展開となったが、下値は着実に切り上げている。収益改善や低PBRを評価して出直り展開だろう。
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2014-04-30 08:15