【為替本日の注目点】バイデン大統領キーウを電撃訪問

「プレジデンツデー」によりNY市場が休場のためドル円は小動き。134円を割り込む場面があったが、値動きはほぼ134円台前半にとどまる。ユーロドルはやや値を戻したものの1.07前後で推移。欧州株は、ロンドンFTは上昇したものの、ドイツDAXとフランスCACは下落。
ドル/円 133.91 ~ 134.37
ユーロ/ドル 1.0670 ~ 1.0705
ユーロ/円 143.03 ~ 143.61
NYダウ → 33,826.69ドル
GOLD → 1,850.20ドル
WTI → 76.34ドル
米10年国債 → 3.815%
【本日の注目イベント】
豪 RBA議事録
独 2月ZEW景気期待指数
独 2月サービス業PMI(速報値)
独 2月総合PMI(速報値)
欧 ユーロ圏2月製造業PMI(速報値)
欧 ユーロ圏2月サービス業PMI(速報値)
欧 ユーロ圏2月総合PMI(速報値)
欧 バイデン大統領、ポーランド大統領と会談(ワルシャワ)
英 2月製造業PMI(速報値)
英 2月サービス業PMI(速報値)
米 2月S&Pグローバル製造業PMI(速報値)
米 2月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値)
米 2月S&PグローバルコンポジットPMI(速報値)
米 1月中古住宅販売件数
加 12月小売売上高
加 1月消費者物価指数
バイデン大統領はウクライナの首都キーウを電撃訪問し、ゼレンスキー大統領夫妻の歓迎を受けました。20日からポーランドを訪問することは公表されていましたが、ウクライナ訪問は安全確保の意味から極秘裏に計画されていたようです。ロシアの侵攻から間もなく1年が経過するこのタイミングでの訪問を決めたようです。バイデン大統領はゼレンスキー大統領と会談を行い演説で、「キーウは存続し、ウクライナは存続し、そして民主主義は存続した」と述べ、「米国はウクライナとともにいる」と、ウクライナに対する「揺るぎない支持」を表明しました。また、20日か21日には、ウクライナ向けにさらに5億ドル(約670億円)を支援すると表明しています。火砲弾薬や対戦車システム、対空監視レーダーなどが含まれるようです。さらに、「週内には、制裁を回避してロシアの戦争遂行を支援しようとする個人や企業を対象とした制裁を発表する」ことも表明しています。米大統領のウクライナ訪問は15年ぶりだとして、ゼレンスキー大統領は「歴史的であり、時宜を得た勇敢な訪問だ」と称賛しています。
EUの行政執行機関である欧州委員会のボレル副委員長(外交安全保障上級代表)は、中国の外交トップである王毅共産党政治局員と週末にミュンヘンで会談を行っています。ボレル氏は、中国がロシアに武器を供給することをEUは「強く懸念」しており、兵器供給は「レッドライン」だと王氏に伝えたと、報道されています。王氏はこの後、ロシアを訪問する予定で、プーチン氏との会談の可能性もあるようです。一方バイデン大統領はポーランドを訪問し、同国大統領との会談を予定しています。ウクライナ侵攻開始1年を前に、戦争は新たな段階に入るとの見方もあり、さらに長期戦になるのか、いまだに出口は見えません。
昨日、バークレーズ証券主催の「転換点に立つ日米金融政策」と題するセミナーに参加してきました。同社では、FRBは3月、5月、6月の会合で、それぞれ0.25ポイントの利上げを行い、ターミナルレートを5.25%~5.50%と予想し、2023年12月には利下げに転換すると見ていました。個人的には米国の利下げは2024年にずれ込むと予想していますが、同社は「CPI上昇率は、中長期的には+2%強へと収束する」と、FRBの目標値に限りなく近づくことをその根拠にしています。また、日本の金融政策については、(1)YCCの修正、(2)マイナス金利政策の解消、(3)段階的利上げ、といった「3段階アプローチ」を経て、調整が行われるとしていました。為替については時間を割いていませんでしたが、2023年第4四半期には125円程度の緩やかなドル安を想定しています。
米国のインフレ基調の鈍化傾向が変わらず、一方日本では大規模金融緩和の副作用も検証され、金融正常化へと進むのだとしたら、やはり円が買われる可能性が高いということのようです。米インフレの「粘着性」がどこまで強いのか、しっかりと見ていかなければならないと感じました。
本日のドル円は133円30~135円30銭程度を予想します。
(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
「プレジデンツデー」によりNY市場が休場のためドル円は小動き。134円を割り込む場面があったが、値動きはほぼ134円台前半にとどまる。(イメージ写真提供:123RF)
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2023-02-21 10:00