【為替本日の注目点】ドル円重要イベント待ち、ADP雇用者数が本命材料に

 NY市場  ドル円は緩やかに上昇し、102円75銭までドル高が進む。ロシアに対する追加制裁の内容がそれほど厳しくなかったことで、株価の上昇や金利上昇につながりドル円をサポートした。   ユーロドルは下落。ドイツの4月のインフレ率が市場予想を下回ったことで1.38台後半から1.38台前半まで下落。   株式市場は続伸。インターネット株が5日振りに上昇したことと、ロシアに対する制裁に、主要企業や金融機関が含まれていなかったことで買い安心感が広がる。ダウは86ドル高で1万6500ドル台を回復。   債券相場はもみ合いからやや値を下げ、長期金利は小幅に上昇。本日から始まったFOMCでは債券購入額を縮小することが見込まれている。   金は続落し、原油が続伸。   2月ケースシラー住宅価格指数  → +12.86%   4月消費者信頼感指数 → 82.3   ドル/円 102.51 ~ 102.75  ユーロ/ドル 1.3806 ~ 1.3858  ユーロ/円 141.59 ~ 142.36  NYダウ +86.63 → 16,535.37ドル  GOLD -2.70  → 1,296.30ドル  WTI +0.44 → 101.28ドル  米10年国債 -0.010  → 2.697%  本日の注目イベント  日   日銀金融政策決定会合   日   黒田・日銀総裁記者会見   日   3月鉱工業生産   独   独4月雇用統計   欧   ユーロ圏4月消費者物価指数(速報値)   米   FOMC政策発表   米   4月ADP雇用者数   米   1-3月期GDP   米   4月シカゴ購買部協会景気指数   加   カナダ2月GDP   東京市場が祝日だった昨日、ロシアに対する新たな追加制裁が発表されましたが、追加の内容が小幅だったことから金融市場への影響は限定的でした。ドル円は再び元の鞘に戻り、これまで上抜けできなかった102円70-80銭を試しに行きましたが、今のところ今回も抜けきれていません。週明けの28日には102円割れを試して下抜けできず、このままずるずる下落するようだと102円台での膠着がさらに深まりそうです。  足許のドル円の動きはまだ方向感を見せていません。テクニカルでも、「日足」では再び雲の中に入っており、上昇中ですが「120日線」に上値を抑えられている格好です。さらに言えば「8時間足」では、これまでに何度も「雲の上限」で上昇が止められており、「雲抜け」に失敗していることが見て取れます。現在「雲の上限」は102円72銭辺りにあります。ここを明確に上抜けできれば上昇に弾みがつきそうですが、本日は多くの重要イベントが控えていることから期待も持てそうです。  日銀決定会合が行われ、午後3時半からは黒田総裁の記者会見の模様がライブで放映されます。政策変更はないと見られていますが、黒田総裁の発言次第では相場が動きます。前回は発言内容が「追加緩和そのものがないのでは・・・」と受け止められ、ドル安円高に触れ、株式市場も下落しています。  米国時間では、週末の雇用統計の前哨戦と位置づけられている「ADP雇用者数」が発表されます。今回は20.6万人の増加が市場のコンセンサスになっており、前回の19.1万人より改善していると予想されています。さらに1-3月期のGDP速報値も発表されます。こちらの市場予想は前年比で1.2%と、前期の2.6%から大幅に低下すると見られています。1~3月といえば、悪天候の影響をまともに受けた時期です。  そして朝方の3時にはFOMC政策金利の発表です。今回はイエレン議長の記者会見は予定されていません。従って声明文が発表されるだけですが、前回同様、債券購入額の縮小が見込まれており、100億ドルの減額で毎月450億ドルになると予想されています。  これら一連のイベントの中では「ADP雇用者数」に注目しています。102円台のもみ合いをどちらか抜けるとしたら、「本命」はこの材料になる可能性が高いと思われます。ただ予想通りの内容であったら、102円台の膠着が続き、レンジブレイクは週末まで持ち越されることにもなります。予想レンジは102円10銭~103円20銭程度を見込んでいます。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は緩やかに上昇し、102円75銭までドル高が進む。ロシアに対する追加制裁の内容がそれほど厳しくなかったことで、株価の上昇や金利上昇につながりドル円をサポートした。 
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2014-04-30 09:30