【為替本日の注目点】パウエル議長の議会証言待ち

東京時間昼過ぎには135円台前半まで売られたドル円は欧州市場では136円台を回復。NYでは売り買い交錯する中、今夜のパウエル議長の議会証言を待つ展開に。ユーロドルはECB政策メンバーのタカ派発言もあり上昇。1.0694までユーロ高が進む。株式市場はまちまちながらダウは小幅に上昇し、これで5日続伸。ナスダックは小幅に反落。債券は小幅に売られ、長期金利はやや上昇。金は変わらず。原油は5日続伸し80ドルの大台に乗せる。
1月製造業受注 → -1.6%
ドル/円 135.65 ~ 136.10
ユーロ/ドル 1.0641 ~ 1.0694
ユーロ/円 144.61 ~ 145.38
NYダウ +40.47 → 33,431.44ドル
GOLD ±0 → 1,854.60ドル
WTI +0.78 → 80.46ドル
米10年国債 +0.006 → 3.958%
本日の注目イベント
豪 豪1月貿易収支
豪 RBA、キャッシュターゲット
中 中国 2月貿易収支
中 中国2月外貨準備高
独 独1月製造業新規受注
欧 ECB消費者予想調査
米 1月消費者信用残高
米 パウエル・FRB議長、上院委員会で証言
東京時間では徐々に上値を重くしたドル円は、昼過ぎには135円35銭近辺まで売られましたが、その後の欧州市場では反発し、136円20銭手前まで上昇しましたが、NYでは小動きでした。今夜米上院で半年に一度のパウエル議長の証言があり、ここで議長がどのような発言を行うのかを見極めたいとする空気が優勢のようでした。特に投資家は、3月利上げに関するヒントに渇望しており、「0.25か0.5か」を判断する材料を求めています。それまでは3月会合で0.25ポイントの利上げを行い、その後はこれまで大幅な利上げを行った効果を見極めるのではといった見方が主流でしたが、2月に入るやいなや、市場予想を上回る経済指標が相次ぎ、「3月会合では0.5ポイント利上げもあり得る」との見方が急速に台頭してきました。
現時点でもFOMCメンバーの中では意見が分かれており、議長の考えが大きな鍵を握っているとも言える状況です。市場予想では「五分五分」もしくは、やや25bpの可能性の方が有利のようにもみえますが、「25」ならドルが売られ「50」ならドルが買われる可能性もあります。さらに今週は10日に日銀の金融政策決定会合があり、こちらもいつになく注目度が高まっています。そして同じく10日には「2月の雇用統計」が控えており、為替を動かす材料は目白押しです。大げさに言えば、この一連のイベントで今後137円台を天井に下落に向かうのか、あるいは140円方向を目指す動きになるのかといった、「春先にかけての重要な方向性が決まるかもしれない」そんな週になりそうです。米金融政策の最高責任者であるパウエル議長としては、市場に楽観的な印象を与えたくないのは当然で、その点からすれば「タカ派寄り」の発言が予想されます。米景気の想定を上回る底堅さを認識しながら、「当局目標である2%のインフレを達成するため、必要とあれば今後も利上げを継続する」といったニュアンスの発言をイメージしています。
ユーロ圏でもインフレに対する警戒感は収まっておらず、ECBも追加利上げを実施すると見られ、これがユーロを支える構図が続いています。ECB政策メンバーのホルツマン・オーストリア中銀総裁はドイツ紙とのインタビューで、「コアインフレ率は上期には大きく下がらず、現在の水準付近にとどまると思う。その場合、0.5ポイントの利上げを今年あと4回行うだろうと考えている」と述べ、3、5、6、7月の4会合連続で0.5ポイントの利上げを支持する考えを示しました。(ブルームバーグ)また、ECBでチーフエコノミストを務めるレーン理事も6日の講演で、「基調的なインフレ圧力に関する現在の情報は、3月会合の後もさらに利上げをするのが適切であることを示唆している」と語り、ただ、「5月に実際に何をするかは大きくデータに依存する」と述べ、「ECBは自動操縦モードになるべきではない」と論じています。これはホルツマン氏の発言とは対照的に、機械的に利上げをするのではなく、これまで実施してきた累積的な金融引き締めの効果を見極めるべきだとする「ハト派」的な意見のようです。
中国の習近平国家主席は6日、米国を中心とした諸外国からの抑圧などの経済的困難を乗り切る一助として、民間セクターの結束を呼び掛けました。中国人民放送(CNR)によると、習氏は「米国率いる西側諸国による包括的な封じ込めおよび抑圧を過去数年にわたって受けている。こうした動きは中国の発展に前例のない深刻な試練をもたらした」と述べ、テクノロジー分野などの結束を促しています。米国のブリンケン国務長官は「中国がロシアへ武器を供与したら、制裁を強める」と語っており、今後さらに中国企業への圧力が増すことも予想され、そうした動きに対応したもののようです。
本日はパウエル議長の議会証言もあり、レンジは135円~137円とワイドに予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
東京時間昼過ぎには135円台前半まで売られたドル円は欧州市場では136円台を回復。NYでは売り買い交錯する中、今夜のパウエル議長の議会証言を待つ展開に。ユーロドルはECB政策メンバーのタカ派発言もあり上昇。(イメージ写真提供:123RF)
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2023-03-07 09:30