投資用マンションは「トータル価値」で判断する=NITTOに聞く

 投資用マンション仲介に特化したNITTO(本社:大阪市北区)は、投資用マンションという専門的な市場で成長を確かなものとし、5年以内の株式上場をめざし、積極的な人材採用を進めているという。同社営業部の課長代理、上田拓生氏に、投資用マンション市場の現状と、今後の成長戦略について聞いた。(写真提供:NITTO) ――4月から消費増税が実施されましたが、投資用マンション市場に増税の影響は?  投資用マンションの市場に消費増税の影響は、ほとんどないと感じています。不動産取引に関する消費税の取り扱いは、土地には非課税で、建物価格に課税されますが、投資用マンションで増えている中古マンションの売買では個人間の取引が多く、個人間の取引には、そもそも消費税がかかりません。  また、売買の相手が事業会社である場合でも、そもそも価格表示は税込みで行われています。ですから、投資判断において消費増税そのものが直接のネックになるようなことはありません。もっとも、仲介手数料や司法書士報酬など課税対象のものについては税額がアップしていますので、その点は説明させて頂いていますが、それによって取引をやめるというケースはありません。 ――投資用マンション市場には消費増税の影響はないと考えても良いのですか?  まだ、増税が実施されたばかりですので、全国的な影響についてはわかりません。少なくとも当社が取り扱っている案件については、増税実施前の好調な状態が持続しているという状況です。  当社の取り扱い実績は全国におよびますが、中心は大阪、神戸、京都といった関西圏で、かつ各地域の中心部に近い物件、関東でも東京を中心に考えていますので、影響はほとんど無いと思っています。 ――投資用マンションに「売れ筋」、人気物件の条件はありますか?  特に明確な「売れ筋」というものはありません。新築よりも、中古物件の売買が伸びているという傾向はあります。なぜなら新築物件では価格と理屈があわないからです。   ただ、売買に適した条件というものはあります。それは、「トータルで見た価格」が高過ぎず、安過ぎず、適性な価格になっているということです。たとえば、立地が良くて条件が整った物件は、買い手も付きやすいので投資利回りは低くなる傾向があります。半面で、投資利回りが高い物件には空室のリスクが高めなど、何らかのネックがあるものです。価格帯や利回りなど、物件それぞれに、トータルで判断して売買価格は決まります。新築価格は売主が一方的に決めた価格と言えるでしょう。  やはり、適正価格よりも高い物件には、なかなか買い手がつきません。反対に適正価格よりも安い値段で物件が出てくることを待っていても、なかなか物件を購入することができないということになります。当社では、この売り手と買い手の間に立って、しっかり話をさせていただき、トータルでみた適正な価格について双方が納得できる解決策を提案しています。その適正な価格によって、売り手と買い手のマッチングはスムーズに進みます。 ――御社は創業以来の黒字経営で、成長を続けていますが、その成長の背景にある強みとは何ですか?  当社は、2011年8月の創業で、営業開始から3年足らずの若い会社ですが、創業以来の黒字経営を継続し、2013年10月には大阪・梅田に自社ビルを購入できるまでになりました。結果的に、成長を続けていることが、取扱件数の増加、また、社員に対する十分な利益還元、そして優秀な社員の増加、ひいては、当社の信頼につながっていると思います。  また、「即決断力」といえるような、決断の速さも、当社の特徴です。当社はまだまだ新興の企業です。お客さまの要望に応えたスピーディな情報提供、そして、お客さまとの密なコミュニケーションなど、お客さまをお待たせすることがない対応をすることによって、お客さまからも支持していただけていると感じています。  このようなスピーディな対応を実行させるためのバックアップ体制、チームとしての団結力の強さも特徴といえます。営業社員というと、個人プレーの印象が強いかもしれませんが、当社では契約関係の書類などはバックオフィスチームが支援し、先輩・後輩の間のアドバイスやサポートの連携も取れています。昇進・昇格に当たっては、個々の成績ばかりでなく、チームプレーが重要な要素になることを全社員が共有していますので、会社の文化としてチームプレーが根付いています。 ――4月からは新卒社員も入社して、さらに積極的な採用活動を展開しているということですが、投資用マンションの仲介という専門的な分野で、未経験者が勤まるのですか?  専門的な分野だからこそ、学ぶべきポイントが絞られ、未経験者でも短期間に戦力化することができます。もちろん、誰でもできるという仕事ではありません。  たとえば、新卒採用のために作成した営業マニュアルには、あえて、模範解答を書かずに、自分の力で考えることを促す内容の部分を残してあります。不動産仲介の仕事には接客業としての側面もありますので、教えられることを待っているばかりでは、なかなか独り立ちは難しいと思います。どの会社にもあることだと思いますが、成績優秀な社員の仕事ぶりを、真似て、盗んで、自分のものにするといった姿勢が大事です。 ――現在50名の体制を、早期に100名体制にするという目標を掲げていますが、規模の拡大によって、どのような会社をめざしているのですか?  近い将来、東京事務所開設を目指しております。やはり不動産物件数の規模の大きさを考えると、東京に拠点を持つメリットが大きいからです。この東京事務所開設に向けた人材確保に注力しています。  また、ワンルーム、ファミリータイプ、そして、リノベーション物件と、当社が取り扱う物件の幅が急速に広がっています。さまざまなニーズのお客さまに対応できる体制とするために、専門性を備えた社員を揃えていくことは必須だと思っています。  そして、100名体制の規模を実現するころには、多くのお客さまに「不動産仲介といえばNITTO」と思っていただけるような、総合的な不動産仲介業者になりたいと思っています。その上で、5年以内に株式の上場を実現したいと思っています。  投資用マンションのオーナーは全国にいらっしゃいますが、まだまだ、新築マンションを開発業者にいわれるままに買ってしまい、その処分に困っているという方の話が少なくありません。投資用マンションの専門仲介業者として、その専門性を活かして、多くのマンションオーナーに満足度の高いマンション投資を仲介していきたいと思っています。(編集担当:風間浩)
投資用マンション仲介に特化したNITTO(本社:大阪市北区)は、投資用マンションという専門的な市場で成長を確かなものとし、5年以内の株式上場をめざし、積極的な人材採用を進めているという。(写真は営業部課長代理、上田拓生氏、写真提供:NITTO)
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2014-05-20 11:00