【為替本日の注目点】ドル円134円台後半から反落

ドル円は東京時間に134円71銭近辺まで上昇したが、NYでは売りに押され、133円台後半まで反落。ユーロドルも東京時間から買われたが1.10台には届かず。株式市場は3指数ともほぼ横ばい。ナスダックは小幅に上昇したが、他の2指数は小幅安。債券は反発。長期金利はやや低下し3.57%台に。金は3日ぶりに反発。原油はほぼ変わらず。
3月住宅着工件数 → 142.0万件
3月建設許可件数 → 141.3万件
ドル/円 133.88 ~ 134.32
ユーロ/ドル 1.0943 ~ 1.0978
ユーロ/円 146.79 ~ 147.17
NYダウ +12.70 → 33,976.63ドル
GOLD +12.70 → 2,019.70ドル
WTI +0.03 → 80.86ドル
米10年国債 -0.025 → 3.576%
【本日の注目イベント】
日 2月鉱工業生産(確定値)
英 3月消費者物価指数
欧 2月経常収支
欧 3月消費者物価指数(改定値)
米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
米 グールズビー・シカゴ連銀総裁、インタビュー
米 ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
米 企業決算 → モルガンスタンレー、IBM、アルコア、テスラ
加 3月住宅着工件数
ドル円は昨日の東京市場で134円71銭前後まで上昇したこともあり、海外市場では「135円テスト」の期待も膨らみましたが、NYでは上値が重く、米長期金利の低下に伴って133円台後半まで押し戻される展開でした。まだ「135円テスト」の可能性は消えてはいませんが、このままずるずると下げるようだと、結局足元のレンジを抜け切れずに元の鞘に戻ることになります。今朝の日経新聞でも「円相場、強まる膠着感」といった見出しで、「輸入企業のドル買い・円売り圧力が強いこともあり、円の理論値は貿易赤字の定着などを背景に現時点での円相場に接近しており、緩やかな円安は日本の競争力低下も映している」と論じています。
5月のFOMC会合まであと2週間となりましたが、現時点では「0.25ポイントの利上げ」は動かないものと思います。今後の指標や環境次第では「利上げ見送り」の可能性はあるとしても、「0.5ポイントの利上げ」の可能性はまずないと考えます。タカ派の筆頭であるセントルイス連銀総裁のブラード総裁はロイター通信とのインタビューで、「ウォール街では今後6カ月程度で景気がリセッションに陥るとの見方が非常に強いが、そうした見方はこのような景気拡大を読む上であまり適切ではない」と述べています。また、「市場は近い将来利下げを予想しているかもしれないが、労働市場は力強い」と指摘しています。ブラード氏は今年のFOMCでの投票権は持っていませんが、「5.5-5.75%までの利上げを支持」しており、3月のFOMC後に公表された2023年末の予想中央値である「5.1%」と比較すると、相当タカ派寄りの見方を維持しています。
ブラード総裁とは異なり、ハト派寄りの見方を示したのがアトランタ連銀のボスティック総裁でした。同総裁はCNBCとのインタビューで、「政策金利をあと1回引き上げて5%超とし、高すぎるインフレを抑えるためその水準でしばらく据え置くことを支持する」と語っています。ボスティック氏も今年のFOMCでは投票権を有していませんが、上記ドットプロットが示した予想中央値とは一致しています。このように、FOMCメンバーの中でもインフレに対する現状認識が異なっており、次回会合後のパウエル議長の発言がより注目される一因にもなっています。
ブルームバーグによると、数カ月中に中国を訪問する予定のイエレン財務長官は20日午前にジョンズ・ホプキンス大学でスピーチを行うようです。米中関係は最近急速に悪化しており、両国間の貿易額が過去最高を更新しているにもかかわらず、双方が相手国を戦略的・経済的に最大の脅威と位置付ける状況になっています。こうした中、イエレン長官は「中国との二国間関係において、米国が自国経済の持続的な根本的強さを確信して前進していることを強調する」と見られています。
本日のドル円は133円~134円80銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は東京時間に134円71銭近辺まで上昇したが、NYでは売りに押され、133円台後半まで反落。(イメージ写真提供:123RF)
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2023-04-19 09:45