【為替本日の注目点】WTI原油価格77ドルを割り込む

 ドル円は終始134円台で推移。東京時間には134円97銭まで買われる場面もあったが続かず。NYでは低調な経済指標を手がかりに長期金利が低下したことで、134円01銭まで売られる。ユーロドルはECB議事要旨が利上げ継続を示唆していたことで上昇。1.0990までユーロが買われる。株式市場は3指数が下落。テスラが約10%売られ、全体のセンチメントを悪化させる。ダウは110ドル下げS&P500も24ポイント下げる。債券は反発。長期金利は3.53%台に低下。金は反発し、原油は続落。 新規失業保険申請件数 → 24.5万件 4月フィラデルフィア連銀景況指数 → -31.3 3月中古住宅販売件数 → 444万件 3月景気先行指標総合指数 → -1.2% 【本日の注目イベント】 日 3月消費者物価指数 独 4月サービス業PMI(速報値) 独 4月総合PMI(速報値) 欧 4月製造業PMI(速報値) 欧 4月サービス業PMI(速報値) 欧 4月総合PMI(速報値) 英 3月小売売上高 英 4月製造業PMI(速報値) 英 4月サービス業PMI(速報値) 米 4月S&Pグローバル製造業PMI(速報値) 米 4月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値) 米 4月S&PグローバルコンポジットPMI(速報値) 米 クック・FRB理事講演 米 企業決算 → P&G 加 2月小売売上高  ドル円は引き続き底堅い動きを見せるものの、米景気の先行きに対する懸念から株価が下げ、これが上値を抑える動きとなっています。昨日も東京時間ではドル買いが優勢で135円手前まで上昇しましたが、135円には届かず。NYでは逆にドル売りが優勢な展開でした。もっとも、東京時間でドルが買われたのは、2022年の貿易赤字が21兆7284億円と、比較可能な1979年度以降で最大の赤字額を記録したことが影響したものと思われます。輸出は伸びているものの、円安が進んだわりには伸びが前年度比15.5%で、輸入の方は資源価格の上昇をもろに反映して32.2%増でした。これで2年連続の大幅赤字ですが、資源価格の低下が見込めない以上、今後も赤字が続くと思われ、潜在的なドル需要につながると見られます。  原油価格は今月初めに「OPECプラス」が突然減産を発表したことで急騰し、3日にはこの日だけで8%を超える上昇を見せ、81ドル台後半まで買われました。その後は落ち着きを取り戻し、今週は再び下落基調に戻っています。世界景気の減速観測で原油消費量が減るとの見方から昨日のWTI原油価格は一時76ドル97セントまで売られ、減産発表前の水準に近づいています。日本の貿易赤字が定着するようだと、その多くを原油が占めることから、今後は原油価格の推移にもこれまで以上に視線が注がれる可能性もありそうです。  バイデン大統領は来月19日から開催されるG7を前に対中投資抑制策を公表しました。その中身は、半導体やAI、量子コンピューティングなど、米国企業が主導的な役割を果たす分野の投資に的を絞り、ベンチャーキャピタルやプライベートエクイティー(PE)、特定の技術移転や合弁企業も対象に含まれるようで、バイデン氏は数週間以内に大統領令に署名する意向を示しています。米国は対中経済措置を数年がかりで相次ぎ打ち出していましたが、ブルームバーグは「この大統領令で新たな局面に入る」と論評しています。イエレン財務長官も20日の講演で、「米国は中国の発展を抑え込む取り組みではなく、安全保障上の理由で抑制措置を課す方針だ」と主張しています。  連日多くのFOMCメンバーが講演を行っており、およそ2週間後に迫ったFOMC会合でどの様な決定がなされるのかを探る展開が続いています。クリーブランド連銀のメスター総裁は20日オハイオ州での講演で、「フェデラルファンド(FF)金利を現行水準から厳密にどの程度引き上げる必要があり、金融政策をどの程度長期にわたって景気抑制的に維持する必要があるかは、経済と金融の動向次第になる」と述べ、「われわれは引き締め過程の始めより、終わりに近い。一段の引き締めがどの程度必要かどうかは、経済と金融の動向、および米金融当局の金融政策目標に対する進展度合いによるだろう」と、中立的な発言をしましたがメスター総裁は先に、もう一度の利上げを支持する発言を行っています。ダラス連銀のローガン総裁も20日のイベントでの講演で、金融政策には言及しなかったものの、「明らかなように、インフレはかなり高すぎる水準にある」と述べ、同じく同イベントに参加したボウマンFRB理事も「米金融当局はこのところインフレ抑制に重点を置いている。これは経済成長と所得増を支えようとするなら不可欠だ」と語っています。  本日のドル円は133円30銭~134円80銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は終始134円台で推移。東京時間には134円97銭まで買われる場面もあったが続かず。NYでは低調な経済指標を手がかりに長期金利が低下したことで、134円01銭まで売られる。(イメージ写真提供:123RF)
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2023-04-21 10:15