【上海ＩＰＯ】電子機器用特殊ガスの中船（邯鄲）派瑞特殊気体、初値は公開価格を５２．４２％上回る５５．１元

　電子機器用特殊ガスメーカーの中船（邯鄲）派瑞特殊気体（６８８１４６／上海）が４月２１日、上海証券取引所の科創板に新規上場した。公開価格３６．１５元に対し、初値は５２．４２％高い５５．１０元だった。終値は同３５．８０％高の４９．０９元だった。 　同社は２０１６年の国有企業で、２１年に株式会社化した。集積回路（ＩＣ）、ディスプレイパネル、リチウムイオン電池などに用いられる電子機器用特殊ガスおよびトリフルオロメタンスルホン酸などフッ素を含む新材料製品の研究開発、生産、販売を主業務としている。１９〜２１年における電子機器用特殊ガス中国市場シェアは１７％前後で中国国内企業１位となっている。また、ＩＣ分野向けの市場シェアは２５％前後。２１年の電子機器用特殊ガス世界市場シェアは業界第９位。 　２２年１２月期の売上高は１９億５６４６万元（前期比１２．９０％増）、純利益は３億８３２５万元（同７．９２％増）。２３年１〜３月期の業績予測は、売上高が４億５１１５万〜４億８３５７万元（前年同期比５．５１〜１３．１０％増）、純利益が９７８９万〜１億１８６２万元（同１５．７５〜４０．２６％増）。 　新規上場に伴い調達予定の１６億元（約３１１億円）は、約２９％の４億５９９８万元を年産３２５０トンの三フッ化窒素生産プロジェクトに、約１７％の２億７７２１万元を年産５００トンのビス（トリフルオロメタンスルホニル）イミドリチウム（電池材料）生産プロジェクトに、約１４％の２万２１３８万元を年産７３５トンの高純度電子ガス生産プロジェクトに、約６％の９６５８万元を年産１５００トンの高純度塩化水素生産能力拡大プロジェクトに、約４％の６７７５万元を製造情報化改良プロジェクトに用いる。（編集担当：今関忠馬）（イメージ写真提供：１２３ＲＦ）