【為替本日の注目点】米4月のPMIは予想を上回る

 朝方には133円台半ばで推移していたドル円は上昇。4月のPMIが全て市場予想を上回っていたことがドル買いに。134円49銭までドルは反発したが、勢いはなく134円台前半で取引を終える。ユーロドルは1.1台手前から反落。1.0943前後まで売られるが底堅く推移。株式市場では3指数が小幅ながら揃って上昇。P&Gが上昇をけん引する形でダウは22ドル高。債券は反落。長期金利は3.57%台に上昇。金は大きく売られ2000ドルの大台を割り込む。原油は小幅高。 4月S&Pグローバル製造業PMI(速報値) → 50.4 4月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値) → 53.7 4月S&PグローバルコンポジットPMI(速報値) → 53.5 ドル/円 133.55 ~ 134.49 ユーロ/ドル 1.0943 ~ 1.0993 ユーロ/円 146.72 ~ 147.56 NYダウ +22.34 → 33,808.96ドル GOLD -28.60 → 1,990.50ドル WTI +0.50 → 77.87ドル 米10年国債 +0.040 → 3.572% 【本日の注目イベント】 独 4月ifo景況感指数 米 企業決算 → コカ・コーラ  ドル円もユーロドルも、一進一退の動きが続いています。ドル円は132円台半ば~134円台で推移し、ユーロドルは1.09台でのもみ合いです。日本がGWを前にしていることや、週末にはFRBとECBに先行する形で日銀が金融政策決定会合を開きます。また、来週2-3日にはFOMCが開催され、翌日4日はECB理事会が開催され、政策金利に動きが出ることもあり、市場はそれらを前に動けないといった状況です。  やはり注目はFOMCです。今回の会合では0.25ポイントの利上げが見込まれており、その可能性が高いと考えていますが、問題はそれ以降の会合で「利上げを一旦休止する」のかどうかといった点です。先週末に発表された4月のPMIもそうでしたが、ここに来て発表される経済指標が予想から上振れる結果が多くなったのが気になります。4月のPMIでは製造業、サービス業、さらに総合でも全て市場予想を上回る結果でした。先週はミシガン大学消費者マインド速報値が予想を上回り、NY連銀製造業景況感指数に至っては、「マイナス18.0」の予想に対して「プラス10.8」と、大きく上振れていました。これらがFRBが利上げを継続するとの見方につながり、米金利を押し上げドル円を支えている構図です。一方で、労働市場にはやや弱い指標も表れており、強弱まちまちの中での今回のFOMC会合です。またFOMCメンバーの中にも、利上げを一旦休止すべきといったハト派寄りの委員も出てきました。仮に0.25ポイントの利上げが決められたとしても、その後の会見でパウエル議長がどのような言葉を発するのか注目されます。  ドル円を支えるもう一つの要因に、日銀のYCCを含む金融政策変更に対する期待の後退が挙げられます。植田新総裁が、これまで政策の副作用を認めながらも、「大規模な金融政策は適当だ」といった認識を示したことが、タカ派観測にブレイキをかけています。ただそれでも政策修正観測は根強く、夏ごろまでには何らかの修正が行われるとの意見も多いようです。今週の会合で、「日銀は物価見通しを引き上げる検討に入った」との報道もあり、これも早期の修正観測をサポートしています。今朝配信された記事の中には、UBSグローバル・ウェルス・マネジメントは「日銀が向こう数カ月で超緩和的な政策姿勢の調整を検討する」と見込んでおり、「やや根比べではあるが、以外に早く、6月か7月に日銀は少し政策を調整するはずだと、当社は考えている」との見解を発表しています。こういった見方は決してマイナーではなく、エコノミストやストラテジストの中には、「だから円高に振れる可能性がある」、と予想している向きも少なくはありません。筆者もこちらの立場を支持しています。日銀の金融政策決定会合の今週以降の予定は、6月と7月に会合が開かれ、8月はなくて、その次は9月になります。  本日のドル円は133円30銭~134円80銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
朝方には133円台半ばで推移していたドル円は上昇。4月のPMIが全て市場予想を上回っていたことがドル買いに。134円49銭までドルは反発したが、勢いはなく134円台前半で取引を終える。(イメージ写真提供:123RF)
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2023-04-24 09:30