【為替本日の注目点】ユーロ円、2014年12月以来の148円台半ばに

ドル円は引き続き堅調に推移。経済指標やFOMCメンバーの発言もない中、朝方には134円72銭まで上昇したがその後はじり安の流れに。ユーロドルは1.10台を回復し、1.1050までユーロ高が進む。ベルギー国立銀行総裁の利上げ継続発言や独ifo景況感指数が好調だったことが背景。ユーロは対円でも148円47銭まで買われ、およそ8年半ぶりの高値を記録。株式市場は小動きの中まちまちの展開。ダウとS&P500は小幅に上昇し、ナスダックは下落。債券は反発。長期金利は3.49%台に上昇。金と原油は上昇。 ドル/円 134.23 ~ 134.72 ユーロ/ドル 1.0999 ~ 1.1050 ユーロ/円 148.02 ~ 148.47 NYダウ +66.44 → 33,875.40ドル GOLD +9.30 → 1,999.80ドル WTI +0.89 → 78.76ドル 米10年国債 -0.082 → 3.490% 【本日の注目イベント】 米 2月ケース・シラ-住宅価格指数 米 2月FHFA住宅価格指数 米 3月新築住宅販売件数 米 4月リッチモンド連銀製造業景況指数 米 4月コンファレンスボード消費者信頼感指数 米 企業決算 → ペプシコ、UPS、GM、3M、アルファベット、ベライゾン、VISA、マイクロソフト  ドル円は134円台で推移し、欧州市場の流れを受けたNYでは134円72銭まで買われています。日米欧の金融会合を控え、昨日は経済指標の発表もない上に、ブラックアウト期間に入ったことで、FOMCメンバーによる講演もない中、緩やかに上昇しましたが、その流れは続きませんでした。ドル円で円安が進んだというより、クロス円の買いが円売りにつながったような動きでした。ユーロ円は148円47銭近辺まで買われ、2014年12月以来、実に8年半ぶりの高値を付けています。「ドル弱気のモメンタムや1-3月期のユーロ圏の景気回復を踏まえれば、日銀の現状維持で最も恩恵を受けるのはユーロ円のロングだ」といった、ソシエテ・ジェネラルのリポートも効いたようです。ドル円ではドル高が進むものの、ユーロドルでは明らかにドル安が進んでいることから、足元ではユーロが最も強く、円が最も弱い通貨になっています。  経営危機に陥り、UBSに買収されたクレディスイス・グループでは、1-3月期に612億スイス・フラン(約9兆2000億円)の資金が流出したと報じられています。特に多くのスイス系銀行が得意とし、富裕層に特化した「ウェルスマネジメント部門」からの資金流出が多く、この部門では471億スイス・フランが同行を見限ったようです。UBSの買収後はやや落ち着きを取り戻し、資金流出は緩やかになったものの、依然続いていると報告されています。この動きは米国でも見られます。米銀ファースト・リパブリック・バンクは24日、「前例のない資金流出」に対応するため、人員削減やバランスシートの縮小を目指す、戦略的選択肢を検討していることを発表しました。同行については、複数の大手米銀が財務基盤を安定させるため3月半ばに約3000億ドル(約4兆円)を同行に預け入れた経緯がありますが、資金流出に歯止めがかかっていないようです。これを受け同行の株価は、通常時間終了後の時間外取引で一時20%余り下げています。(ブルームバーグ)先週来日した世界最大の資産運用会社である「ブラックストーン」のシュワルツマンCEOがインタビューで、「今後さらに米地銀がつぶれる可能性はある」と述べていたことが思い出されます。「一旦信用を無くすと、顧客から見向きもされなくなる」、金融機関にとっての経営の根幹はやはり「信用」ということのようです。  今週末にかけて開催される「植田日銀」の新執行部は、YCCを含めた現状の金融政策の継続を決定すると見られます。米シリコンバレー銀行(SVB)の破綻に端を発した海外の不確実性は、上述のように依然くすぶっているのが現状です。債券市場の機能を阻害させているとの批判はあるものの、今会合では「現状維持」が見込まれています焦点は会合後の植田総裁の発言と、日銀のインフレ見通しに絞られそうです。 本日のドル円は133円40銭~134円90銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は引き続き堅調に推移。経済指標やFOMCメンバーの発言もない中、朝方には134円72銭まで上昇したがその後はじり安の流れに。ユーロドルは1.10台を回復し、1.1050までユーロ高が進む。(イメージ写真提供:123RF)
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2023-04-25 10:15