【為替本日の注目点】ユーロ円146円台に反落

 ドル円は反落。金融不安が再燃し消費者マインドも低下したことで、金利が低下。ドル円は133円36銭まで下落。ユ-ロドルも小幅に下落。ドイツ国債の金利低下もあり、ユーロ円を利益確定する動きがユーロを押し下げた。株式市場は3指数が大幅下落。金融セクターの下げが加速し、全面安の展開に。S&P500は65ポイント下げ、ダウは344ドル安。債券は続伸。長期金利は3.4%を割り込んだが同水準近辺で引ける。金は続伸し、原油は反落。 2月ケース・シラ-住宅価格指数 → 0.36% 2月FHFA住宅価格指数 → 0.5% 3月新築住宅販売件数 → 68.3万戸 4月リッチモンド連銀製造業景況指数 → -10 4月コンファレンスボード消費者信頼感指数 → 101.3 ドル/円 133.36 ~ 134.25 ユーロ/ドル 1.0965 ~ 1.1029 ユーロ/円 146.29 ~ 147.96 NYダウ -344.57 → 33,530.83ドル GOLD +4.70 → 2,004.50ドル WTI -1.69 → 77.07ドル 米10年国債 -0.091 → 3.400% 【本日の注目イベント】 豪 3月消費者物価指数 豪 第1四半期消費者物価指数 独 5月GFK消費者信頼調査 米 3月耐久財受注 米 米韓首脳会談(ワシントン) 米 企業決算 → ボーイング、メタ・プラットフォームズ  昨日の東京時間でも133円台に入ると直ぐに買われるなど、堅調に推移したドル円でしたが、NYでは米金利が大きく低下したことで133円36銭辺りまで売られ、10日ぶりに133円台前半の水準を付けています。今週末には日銀の決定会合を控え、その後も重要イベントが続く中、動きは思った以上に活発の様です。  昨日の本欄でも触れましたが、米ファースト・リパブリック・バンクの決算で想定を超える資金流失があったことが明らかになり、同行の株価は昨日のマーケットで50%の下落に見舞われています。同行は保有する資産など500億ドル―1000億ドル(約6兆7000億円―13兆4000億円)相当の資産売却を模索しているとブルームバーグは報じています。ファースト・リパブリック・バンクの株価の急落が他の金融株の下落にもつながり、下げは金融株だけにとどまらず、この日の市場は全面安の展開でした。マネーが株式から債券に移り、金利が低下したことでドル円も大きく売られています。昨日発表された4月のコンファレンスボードの消費者マインドでも市場予想を下回る「101.3」と、昨年7月以来の低水準でした。  バイデン大統領は25日、2024年の大統領選への出馬を正式に表明しました。バイデン氏はこれまでも出馬の意向を示唆する発言は行ってきましたが、この4月25日という、2年前に出馬宣言を行った同じ日を選んでの行動でした。バイデン氏は、「われわれが直面している問題は、これから数年後にもっと自由になっているか、それとも自由でなくなっているかだ。私はどんな答えが望ましいか分かっており、あなた方の場合もそうだと思う。今は自己満足の時ではない。それが再選に向けて私が出馬する理由だ」とビデオで国民に訴えていました。メディアの調査によると、次期大統領選へのバイデン氏出馬に対して70%程の人が「反対」しています。理由は言うまでもなくバイデン氏の「年齢」です。米国史上最高齢の大統領は、仮にもう一期務め上げれば「86歳」になり、これは米国の男性平均寿命を10歳程上回ることになります。米国大統領の激務は、日本の比ではないでしょう。それだけに体力的な懸念が常に付きまといます。最近のバイデン氏の姿を見ても、就任当時に比べ明らかに「老けた」と感じるのは筆者だけではないと思います。トランプ政権発足以来、米国内の分断は深まったと言われています。今後米国をどのような方向に導いていくのか、リーダーシップが求められます。また国外でも、ロシア、北朝鮮、台湾を巡る中国とどのように対峙していくのか。すでに「米国は世界の警察ではない」と言われて久しいですが、やはり経済力、軍事力では世界の頂点である米国の判断、行動、対応が大きく影響してきます。「バイデン氏があと10歳若かったらなぁ」というのが率直な感想です。  基本的には「低調な経済指標の発表」は、米利上げ継続観測の後退につながり、ドル円は下落し、株価は上昇するのがこれまでの動きです。昨日は、ドル円は売られたものの、株価も大きく下げています。上で述べたように、ファースト・リパブリック・バンクの決算発表が、信用不安を想起させ、「まだ金融危機は終わっていない」との見方につながっています。ただこの動きは、体力のない金融機関、ALM(アセット・ライアビリティ・マネジメント)の構築されていない金融機関、あるいは盤石な経営基盤を持たない金融機関が、FRBによる急激な金融引き締めにより「あぶり出された」結果であると考えています。そのFRBによる引き締めも「終盤に近い」と見られ、この先余程のことがない限り金融危機にはならないでしょう。先ずは、日米欧の金融政策の結果を経て相場がどのように動くのかを確認したいと思います。  本日のドル円は133円~134円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は反落。金融不安が再燃し消費者マインドも低下したことで、金利が低下。ドル円は133円36銭まで下落。(イメージ写真提供:123RF)
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2023-04-26 09:45