【為替本日の注目点】ユーロドル続伸し1.12に迫る

米国株の下げに引っ張られる形でドル円は売られ、133円02銭前後まで下落。その後は耐久財受注が上振れ、米金利が上昇したことで133円台後半まで値を戻す。ユーロドルは再び上昇し、2022年3月以来となる1.1096までユーロ高が進む。仏、独の消費者マインドが好転したことが材料に。株式市場はまちまち。マイクロソフトなど大型ハイテク株が買われ、ナスダックは55ポイント高。一方ダウとS&P500は下げる。債券は反落。長期金利は3.44%台に上昇。金は売られ、原油は大幅に続落。
3月耐久財受注 → 3.2%
ドル/円 133.02 ~ 133.94
ユーロ/ドル 1.1033 ~ 1.1096
ユーロ/円 147.18 ~ 147.87
NYダウ -228.96 → 33,301.87ドル
GOLD -8.50 → 1,996.00ドル
WTI -2.77 → 74.30ドル
米10年国債 +0.049 → 3.448%
本日の注目イベント
豪 豪1-3月四半期輸入物価指数
日 2月景気先行指数(CI)(改定値)
トルコ トルコ中銀政策金利発表
欧 ユーロ圏4月景況感指数
欧 ユーロ圏4月消費者信頼感(確定値)
米 1-3月GDP(速報値)
米 新規失業保険申請件数
米 3月中古住宅販売成約件数
米 企業決算 → キャタピラー、メルク、イーライリリー、インテル
NY株式市場ではファースト・リパブリック・バンク株が前日に続き売られ、米地銀に対する不安が依然続いていることから「リスクオフ」の流れが金融市場全体を覆っている状況です。同行の株は一時41%安となり、上場来安値を記録したようです。ドル円でもドル売りが強まり、133円割れを試す水準まで下げています。市場では来週のFOMC会合での「政策金利据え置き」観測も一部に出たようですが、大勢では「0.25ポイントの利上げ」観測は揺るがないといったところです。ただ、この状況が今後も続くようだと、FRBも再び「インフレ退治と信用不安の払拭」との板挟みになり、今後の政策の行方に影響を及ぼす可能性もあるかもしれません。パウエル議長の会見での発言がますます注目されることになります。
中国の習近平国家主席とウクライナのゼレンスキー大統領が電話会談を行いました。会談は昨年2月にロシアによる侵攻があって以来初めてです。会談は1時間余り続いたようで、中国外務省は「公平なやり方で平和協議を実現することに中国は全力を傾けている」との談話を発表し、ウクライナに特別代表団を送ることを決めています。ゼレンスキー大統領は会談後、「駐中国ウクライナ大使の任命とともに、この電話会談は二国間関係を発展させる強力な推進力になるだろう」とツイートしています。ウクライナは、欧米などから戦車など強力な兵器を提供されたこともあり、領土奪回を目指し大規模な攻撃に打って出るとの見方もあります。中国の仲介が早期の停戦につながることを期待したいところです。
2024年の大統領選への出馬を表明したバイデン大統領はホワイトハウスで韓国の尹大統領と首脳会談を行いました。会談後の共同記者会見では、「(核兵器による攻撃は)容認できず、そうした攻撃を行う体制は終わりを迎えるだろう」と語り、北朝鮮が米国や同盟国に核攻撃を行えば、金正恩朝鮮労働党総書記の下での体制は終わることを強調していました。米国はこの日、核兵器と通常戦力で韓国の防衛に関与する「拡大抑止」の強化を発表し、戦略原子力潜水艦を韓国に派遣することを発表しています。(ブルームバーグ)
本日から日銀は、「植田執行部」としては初となる金融政策決定会合を開催し、明日にはその結果を発表します。会合を控えている割りはドル円の動きは活発で、昨日のNYでも1円近い値幅で動いています。ユーロドルも1.12近くまで上昇し、1年1カ月ぶりの高値を付けています。ユーロドルでは明らか「ドル安・ユーロ高」が確認できますが、ドル円では円が売られ易い状況になっています。ただ、ユーロドルがさらに上昇するようだと、ドル売りの流れがドル円にも波及する可能性は十分ありそうです。ドル円は、日足チャートでは短期的な「三角保ち合い」(さんかくもちあい)を描くことができます。3月8日の137円92銭を起点としたレジスタンスラインと、3月24日の129円64銭を起点としたサポートラインを2辺にすると、本日はレジスタンスが134円60銭前後となり、サポートは132円57銭前後になります。「三角保ち合い」は右端にある頂点に向って値幅を収斂させていき、どちらかに抜けたら、抜けた方向に大きく動くとされています。まだ上下とも値幅はありますが、GW中には抜ける可能性もあり、この点はしっかりと確認したいところです。
本日のドル円は132円60銭~134円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
米国株の下げに引っ張られる形でドル円は売られ、133円02銭前後まで下落。その後は耐久財受注が上振れ、米金利が上昇したことで133円台後半まで値を戻す。(イメージ写真提供:123RF)
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2023-04-27 10:00