「失業者1人雇用」で減税・・・中国で企業への「税制優遇措置」を拡充=中国報道

 中国当局が29日、今後3年間の起業・就業支援のための税制優遇措置を発表した。企業が失業者を雇用した場合、1人雇用するごとに年5200元(約8万5000円)の減税となるといった内容だ。  新華社の29日付の報道によれば、税制優遇措置は中国財政省と国家税務総局、人力資源・社会保障省が発表。昨年末で期限切れとなった起業・就業支援策を16年まで延長し、さらに拡充する形で、失業者や新卒者の起業を奨励し、企業の失業者雇用も促す。  今回発表された新たな規定では、失業して半年以上の人や新卒者が起業する場合、1業者当たり年間に最高9600元(約15万7000円)の減税となる。また、企業が失業して1年以上の人を1人雇用するごとにこれまで4000元の減税だったものが、最高5200元の減税となる。  人民日報系ニュースサイト「人民網」の25日付の報道によると、同国で3月末時点の都市部登記失業率は4.08%で、「比較的低い水準」を維持した。  中国では若者がより給与の高い仕事を目指して単純な製造業を嫌い、企業が人手不足に悩む状況が生じている。また、待遇の良くない地方公務員の受験者が今年、前年比で12%減少したとの報道もあった。売り手市場の中、人力資源・社会保障省は「当局による失業者対策が今年、良い滑り出しとなった」とアピールしている。  ただ、税制優遇策が拡充されたことは、当局が一層の失業者対策が必要だと認識している証拠だろう。格差が拡大する社会で低収入層の購買力を底上げし、当局が目指す内需拡大を実現するためにも、失業者対策は重要となる。(編集担当:古川弥生)(写真は「CNSPHOTO」提供)
中国当局が29日、今後3年間の起業・就業支援のための税制優遇措置を発表した。企業が失業者を雇用した場合、1人雇用するごとに年5200元(約8万5000円)の減税となるといった内容だ。(写真は「CNSPHOTO」提供)
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2014-04-30 16:15