海外の高級品購入10兆円規模、関税引き下げ内需に向かわせよ=中国・人民日報
中国共産党機関紙の人民日報(海外版)は30日付で、「関税の高い敷居が年間6000億を海外に押しやっている」と題する論説を掲載した。中国人による海外高級品の購入額が2013年には6000億元(約9兆8000万円)に達し、多くの部分が海外に出ての購入だったとして、高級品に対する関税を引き下げることで、内需拡大に向かわせるべきだと主張した。
国務院発展研究センターによると、中国人が高級品購入のために費やした支払総額中の約2割に相当する6000億元程度が、海外で販売されている高級品購入に充てられている。うち、インターネットによる個人輸入によるものは700億元程度で、海外に訪れて購入する便は5000億元以上という。
2011年に中国人が購入した海外で販売されている高級品の金額は約3000億元で、2年後の13年には倍増した計算になる。
別の調査機関によると、中国における高級品市場の規模は2013年には280億ドルで、海外で購入する金額は740億ドルに達した。中国人は、全世界における高級品小売額の47%に相当する1020億ドル分を購入しているという。
2013年における中国人の出国者は延べ1億人に達した。ほとんどの海外旅行者の主要な目的のひとつはショッピングであり、欧米人の5-10倍、日本や中東諸国の人の3-5倍の金額を「海外に落としている」という。
中国人を「海外での高級品購入」に駆り立てる大きな理由に、自国が課した関税の高さがある。同一商品が欧米や香港・マカオで購入するよりも2割以上、場合によっては3-4割も高価になってしまうからだ。
専門家によると、関税以外に増値税、消費税、営業税など各種の税が課せられることも、中国において高級品の税込小売価格は跳ね上がることにつながっている。
中国は1990年代から経済の高度成長を実現させてきたが、成長の柱は輸出と投資だった。そのことは、格差問題や環境破壊など深刻な問題の原因にもなった。そのため中国は、新たな経済成長の柱として内需拡大を進めようとしている。
中国では2005年に、海南省で「国内旅行者が利用できる免税店」をスタートさせた。現在までに旅行者1人当たりの免税品購入額は8000元に達したという。免税品の種類も21種に拡大する予定だ。記事は、海南省の例を参考に、経済発展した地区で、出国を前提としない免税店許可の試験をしてもよいと論じた。(編集担当:如月隼人)
中国共産党機関紙の人民日報(海外版)は30日付で、「関税の高い敷居が年間6000億を海外に押しやっている」と題する論説を掲載した。中国人による海外高級品の購入額が2013年には6000億元(約9兆8000万円)に達し、多くの部分が海外に出ての購入だったとして、高級品に対する関税を引き下げることで、内需拡大に向かわせるべきだと主張した。
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2014-04-30 16:30