【為替本日の注目点】米、デフォルト回避の可能性高まる

ドル円は続伸。米国がデフォルトに陥る可能性が後退したとの見方からリスクオンが強まり、ドル円は137円72銭まで上昇。5月2日に付けた直近高値に迫る。ユーロドルでもドル高が進み、ユーロはおよそ1カ月半ぶりに1.0811まで売られる。株式市場は3指数が揃って大幅に上昇。債務上限問題で与野党が合意に達するとの見方が強まったことで、ダウは408ドル、S&P500は48ポイントの上昇。債券は続落。長期金利は3.56%台に上昇。金は続落し、原油は大きく反発。
4月住宅着工件数 → 140.1万件
4月建設許可件数 → 141.6万件
ドル/円 136.92 ~ 137.72
ユーロ/ドル 1.0811 ~ 1.0849
ユーロ/円 148.26 ~ 149.23
NYダウ +408.63 → 33,420.77ドル
GOLD -8.10 → 1,984.90ドル
WTI +1.97 → 72.83ドル
米10年国債 +0.030 → 3.564%
【本日の注目イベント】
豪 4月雇用統計
日 4月貿易統計
欧 ECB経済報告
英 正副総裁、量的引き締めを巡り証言
米 5月フィラデルフィア連銀景況指数
米 新規失業保険申請件数
米 4月中古住宅販売件数
米 4月景気先行指標総合指数
米 ジェファーソン・FRB理事講演
米 バー・FRB副議長、上院で証言
米 ローガン・ダラス連銀総裁講演
債務上限問題を巡り、バイデン大統領が「デフォルトの回避に確信がある」と語り、マッカーシー下院議長も「今週中の解決は実行可能」と発言したことを受け、株式市場では株価が大きく上昇。ただ予想と異なったのが、リスクオンが強まり、債券が売られたことで金利が上昇し、ドル円は137円台を大きく超えてきたことでした。5月2日に記録した直近高値を試す展開になっています。債務上限問題では上限引き上げで「合意」するとは予想していましたが、両氏の発言でリスクオンが一気に進み、低金利の円が売られた格好です。予想とは異なり、失礼しました。
バイデン大統領は日本に向け出発する前にホワイトハウスで記者団に、「予算を巡って合意に達し、米国はデフォルトを回避すると私は確信している」と述べています。また。マッカーシー下院議長も17日CNBCのインタビューで、「最終的に米国がデフォルトに陥ることはない」と語り、「債務上限問題を巡る交渉担当者の数を絞ったことは有益だった」とした上で、「この問題で合意をまとめられると確信している」と述べています。まだ正式な合意には至っていませんが、両者の歩み寄りが見られたことで、市場には楽観的な見方が広がっています。また、この日は米地銀のウエスタン・アライアンス・バンコープの預金が前四半期末から20億ドル(約2740億円)余り増えたことが好感され銀行の信用不安が後退し、リスクオンがさらに強まったようです。NY株式市場では銀行株が大幅に上昇しています。ただブルームバーグは、「米政府が支払いに備え保有する現金残高は、15日に過去1カ月余りで最も少なくなったが、16日は若干回復した。連邦債務上限の引き上げか適用停止で合意が成立しなければ、6月初めまで支払義務履行の資金が尽きる危険は消えていない」と報じています。
先週末には133円台後半まで売られたドル円ですが、底堅い動きを見せ、これで三度137円台後半を試す展開になってきました。3月8日の137円92銭、5月2日の137円78銭、そして今回の137円72銭です。137円70銭~138円が壁になっていると見ることもできますが、一方でこの水準を上抜けすることができれば、昨年12月の138円台前半が次のターゲットになり、一歩140円に近づくことにもなります。日米株価の上昇はリスクオンにつながり、低金利の円が売られ易い傾向があります。その意味では昨日、日経平均が1年8カ月ぶりに3万円の大台を回復し、今日もNY株の大幅高を受け、日経先物は大きく買われています。日経平均株価は大幅高を演じそうです。
本日のドル円は137円~139円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は続伸。米国がデフォルトに陥る可能性が後退したとの見方からリスクオンが強まり、ドル円は137円72銭まで上昇。(イメージ写真提供:123RF)
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2023-05-18 10:00