【上海IPO】ディスプレイ用半導体設計の上海新相微電子が23日に公募開始、9191万株発行予定

 上海証券取引所の科創板への上場を目指す、上海新相微電子(688593/上海)が5月23日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。9191万株を発行予定で、公募価格は11.18元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。  同社は2005年設立で、21年に株式会社化した。ディスプレイ用半導体チップの研究開発、設計、販売を行うファブレス企業で、ディスプレイ用チップシステムのソリューションプランを提供する。主な製品は主にウェアラブルデバイスやスマートフォン向けの統合型ディスプレイチップ、タブレット型パソコンやテレビ、商業用ディスプレイなど向けの分離型ディスプレイ駆動チップ、ディスプレイ電源管理チップで、売上の約9割は統合型ディスプレイチップとなっている。あらゆるサイズのディスプレイパネルをカバーするとともに、TFTやAMOLEDディスプレイ技術にも対応する。中国国内をリードするディスプレイチップサプライヤーの1つであり、京東方、深天馬などのパネルメーカーやディスプレイ組立企業と提携関係を持つ。  2021年におけるディスプレイ駆動チップ設計企業の世界市場シェアは台湾、韓国の企業が大部分を占めており、同社のシェアは1.2%で中国本土メーカーの中で第5位に留まっている。また、スマートフォン向けTFT−LCD駆動チップ出荷量の世界市場シェアも1.5%と台湾、韓国や中国本土のトップ企業に比べると少ないが、TFT−LCDスマートウェアラブルデバイス市場向け出荷量の市場シェアは24.8%で世界第3位となっている。  中国国内企業の中では一定の地位を確保しているものの、経営規模、4Kディスプレイ用チップの量産技術、AMOLEDチップの販売実績、ESD(静電気放電対策)性能や使用可能温度などの細かい設計といった点でなおも海外の大手企業と大きな差がある。4KやAMOLED向けのチップに対するニーズが日増しに高まる中で、開発力を高めることが大きな課題だ。  22年12月期の売上高は4億2700万元(前期比5.47%減)、純利益は1億827万元(同29.09%減)。23年1〜3月期の売上高は9743万元(前年同期比2.21%増)、純利益は1994万元(同30.92%減)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
上海証券取引所の科創板への上場を目指す、上海新相微電子(688593/上海)が5月23日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。9191万株を発行予定で、公募価格は11.18元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。(イメージ写真提供:123RF)
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2023-05-22 19:30