【為替本日の注目点】バイデン大統領、マッカーシー下院議長と再度会談

 ドル円は再び138円台半ばまで反発。債務上限問題が依然不透明で、米長期金利が上昇したことや、FOMCメンバーのタカ派発言で138円67銭までドルが買い戻される。ユーロドルは1.08台で推移。その後1.08台を割り込んだものの下げは限定的。株式市場はまちまち。ダウは140ドル下げたものの、ナスダックは62ポイントの上昇。債券は続落。債務上限問題が大詰めにきているものの、不透明感から債券価格は下落。長期金利は3.71%台に上昇。金は反落し、原油は小幅に上昇。 ドル/円 138.00 ~ 138.67 ユーロ/ドル 1.0797 ~ 1.0831 ユーロ/円 149.31 ~ 149.93 NYダウ -140.05 → 33,286.58ドル GOLD -4.40 → 1,977.20ドル WTI +0.44 → 71.99ドル 米10年国債 +0.042 → 3.715% 【本日の注目イベント】 独 5月サービス業PMI(速報値) 独 5月総合PMI(速報値) 欧 5月製造業PMI(速報値) 欧 5月サービス業PMI(速報値) 欧 5月総合PMI(速報値) 欧 3月経常収支 英 5月製造業PMI(速報値) 英 5月サービス業PMI(速報値) 米 バイデン大統領とマッカーシー下院議長が会談(日本時間23日午前6時半) 米 4月新築住宅販売件数米   5月S&Pグローバル製造業PMI(速報値) 米 5月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値) 米 5月S&PグローバルコンポジットPMI(速報値) 米 5月リッチモンド連銀製造業景況指数 米 ローガン・ダラス連銀総裁、会合で挨拶  当初日本時間昨日の早朝に予定されていたバイデン大統領とマッカーシー下院議長との会談は、ちょうど本稿執筆時(6時40分)に行われています。依然として協議が行われ、合意するかどうかは不透明ですが、両氏の会談に先立って、バイデン政権と共和党の交渉担当者が約2時間半にわたって協議を行っています。マッカーシー議長は、「担当者同士の協議は生産的だった」と語り、「われわれは引き続き取り組んでいく。合意は今夜にも、明日にも成立可能だ」と楽観的な見方を示しつつ、「双方はまだ何も合意していない」と記者団に話しています。(ブルームバーグ)協議は、残された時間も少ないことから大詰めにきていると思われます。イエレン財務長官は22日、「財務省が6月初旬に十分な現金を使い切る公算が大きい。そのタイミングが早ければ6月1日に到来する可能性がある」とあらためて警告しています。  FOMCメンバーの発言が花盛りです。今後の金融政策に関して5人のメンバーが発言していますが、意見は分かれていました。アトランタ連銀総裁のポスティック総裁は、「大きな変化がない限り、現時点では事態がどう進展するか様子を見ることに違和感はない」と、次回会合での据え置きを示唆しています。サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は、「与信環境の引き締まりが、2回の利上げに相当し得る」との認識を示し、利上げは急がないとの立場と思える発言を行っています。一方ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、「今の段階では、6月会合での利上げもしくは利上げ見送りのどちらも判断が際どく、五分五分だ。重要なのは、われわれの作業は終了したと示唆しないことだと考える」と発言しています。また、リッチモンド連銀総裁のバーキン総裁は、「政策の選択肢については予断を持っていない」と語っています。  そして、やはりタカ派の代表格であるセントルイス連銀のブラード総裁はさすがでした。ブラード氏は、「インフレに十分な下押し圧力を与え、物価上昇率をタイムリーに目標水準に押し戻すためには、政策金利を引き上げざるを得なくなるだろうと」と述べ、その上で、「今年はあと2回の行動を考えている。具体的にいつになるかは分からないが、遅いより早い方がよいとこれまでにたびたび提唱してきた」と、具体的に2回の利上げ(Two more move)と発言し、さらに「労働市場が非常に好ましい状況にあるのは、インフレと闘い、目標物価に戻すには非常に都合が良い」と指摘しています。ただこれらメンバーの発言も今後のデータ次第では大きく変化する可能性はありそうです。会合は6月13-14日に開かれますが、それまでに6月2日(金)には「5月の雇用統計」発表があり、「5月の消費者物価指数(CPI)」は、ちょうど会合の最中(さなか)の13日(火)に発表されるといった微妙なタイミングです。会合の結果は14日に公表されることから、5月のCPIの結果も議論に取り込まれることになります。  137円台まで売られたドル円は、わずか1日で再び元の水準を回復しています。タカ派的な発言が効いたとはいえ、米債券が連日売られ長期金利が上昇していることも大きな要因とみられます。債券はこれで今月15日から7営業日連続で売られ、この間長期金利は3.38%台から3.71%台まで上昇しドル円を支える構図になっています。ひょっとしたら、債券市場はいち早く米債務上限問題が合意に至らないことを織り込んでいるといった、極端な見方もできなくはありませんが、正直ここでは、その様には考えたくありません。まずは今日の会談の結果を待ちたいと思います。  本日のドル円は137円~139円50銭といったところでしょうか。会談の結果によっては、大きく動く可能性はありそうです。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は再び138円台半ばまで反発。債務上限問題が依然不透明で、米長期金利が上昇したことや、FOMCメンバーのタカ派発言で138円67銭までドルが買い戻される。(イメージ写真提供:123RF)
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2023-05-23 10:00