AOI Pro.4月安値で目先底打ちの可能性、好業績を評価して出直り

  テレビCM制作大手のAOI Pro. <9607> の株価は2月安値を割り込んで水準を切り下げたが、足元で調整一巡感を強めている。目先的には4月安値で底打ちした可能性もあり、好業績や割安感を評価して出直り展開だろう。   12年7月に葵プロモーションから社名変更した。テレビCM制作を主力として、広告制作事業(テレビCMやWeb動画広告の制作およびイベントの運営など広告に関わる制作事業)、写真スタジオ事業(子会社ホリーホックのコンシューマ向け写真館運営および全国の写真館に対する販売促進支援事業)、メディア関連事業(子会社パーゴルフのゴルフに関わる出版「週刊パーゴルフ」・広告・オンライン事業)を展開している。   映像の企画から制作まで自社で対応できるノウハウとリソースを保有し、顧客(広告主)ニーズに合わせた広告制作にワンストップで対応できることが強みだ。CM作品以外の映像作品として映画やミュージックビデオなどのエンタテインメント映像制作も強化している。海外はインドネシア、タイ、中国、英国に進出している。   中期経営計画(13年3月期~15年3月期)では、デジタル部門の再編・強化、アジアを中心とするグローバル展開、そして人材の強化により、既存ビジネスとの相乗効果で高成長を目指すとしている。   前期(14年3月期)連結業績見通し(13年5月15日公表)は売上高が前々期比3.6%増の265億円、営業利益が同37.5%増の19億円、経常利益が同33.8%増の18億50百万円、純利益が同2.4倍の7億50百万円としている。自動車関連を中心に主力のテレビCM制作の受注が好調に推移する。制作管理体制の強化による制作原価率の低下、前々期に計上した一時的な先行費用の一巡なども寄与して大幅増益見込みだ。純利益は前々期計上の減損損失一巡も寄与する。   今期(15年3月期)についても、テレビCM制作の受注が引き続き好調に推移して全体収益を牽引するだろう。創業費用や先行投資の負担などで赤字だった写真スタジオ事業、およびメディア関連事業の損益改善も寄与して好業績が期待される。   株価の動きを見ると、地合い悪化も影響して640円~660円近辺でのモミ合い展開から下放れの形となり、2月安値621円を割り込んで4月15日には604円まで下押す場面があった。ただし足元では630円近辺まで戻して調整一巡感を強めている。好業績を評価する動きだろう。   4月30日の終値635円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS62円99銭で算出)は10倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間23円で算出)は3.6%近辺、実績PBR(前々期実績の連結BPS809円07銭で算出)は0.8倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線突破の動きを強めている。目先的には4月安値で底打ちを確認した可能性もあり、強基調に転換して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
テレビCM制作大手のAOI Pro.<9607>(東1)の株価は2月安値を割り込んで水準を切り下げたが、足元で調整一巡感を強めている。
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2014-05-01 09:00