【為替本日の注目点】今回は利上げ見送りか?

ドル円は139円台前半で始まったが、その後139円台半ばまで上昇。FOMCとCPI発表を控え動きは緩慢。ユーロドルは1.07台で推移し、前日とほぼ同様な動き。株式市場は3指数が揃って続伸。ダウは4日続伸し、S&P500は一時4300ポイントに載せる場面も債券は売られ、長期金利は小幅に上昇。金は小幅安。原油も売られ70ドル台前半まで下げる。
ドル/円 139.04 ~ 139.59
ユーロ/ドル 1.0743 ~ 1.0784
ユーロ/円 149.71 ~ 150.36
NYダウ +43.17 → 33,876.78ドル
GOLD -1.40 → 1,977.20ドル
WTI -1.12 → 70.17ドル
米10年国債 +0.021 → 3.739%
【本日の注目イベント】
米 5月財政収支
米 バイデン大統領、NATO事務総長と会談(ホワイトハウス)
前日138円台後半まで売られたドル円は、東京から欧州市場にかけては反発したものの、NYの朝方には139円台前半まで再び売られる場面もありました。ただその後は139円台半ばまで上昇していますが、いよいよ今週発表される「5月の消費者物価指数(CPI)」と、FOMC会合を控えて動きづらい展開です。
現時点での6月会合での予想は、どうやら「利上げ見送り」に落ち着きそうです。同会合についてブルームバーグは、「6月13―14日に開かれるFOMC会合で、当局者らは政策金利を5-5.25%のレンジに据え置くと予想されている」と報じ、さらに「過去1年余りにわたって利上げを実施してきた米金融当局が、一休みする準備を整えている。ただし、必要に応じて利上げを続ける用意があると強く示唆する可能性が高い」と分析しており、これが現時点でのコンセンサスに近いものと思われます。
5月のCPIは総合で前年比4.1%(4月は4.9%)と予想され、コアCPIでは5.2%(4月は5.5%)とみられ、いずれも前月よりも伸びが鈍化していると予想されています。ただそれでもFRBが目指す2%からは倍以上のインフレ率であるため、かりに結果が予想通りであったとしても、パウエル議長は「タカ派姿勢」を見せるものと予想しています。例えば、「われわれには、まだやらなければならない仕事が残っている」といった様なタカ派発言が予想されます。同時に、仮に利上げが見送られたとしても、「金融引き締めは終ったわけではなく、今後も必要なら追加利上げを行う用意がある」といった文言も想定されます。これらは、CPIが想定よりも低く、改善されていたとしても発せられると考えます。一方想定よりもインフレ率の鈍化が進んでいないようであれば、さらに強いメッセージが発せられる可能性もあると考えます。その場合には、6月会合で利上げが見送られても市場は7月会合での追加利上げ、あるいはその先まで織り込む動きを見せるかもしれません。注意したいところです。
トランプ前大統領はフロリダ州マイアミの自宅で見つかった機密文書の返還を拒んだ問題で起訴されています、起訴状によると、トランプ氏は国防情報に意図的な保持や不正な文書隠蔽、司法妨害の共謀、虚偽の説明など7つの罪に問われ、37件の個別案件で起訴されています。大統領経験者が連邦犯罪で起訴されるのは初めてのこととなり、トランプ氏は「司法の茶番だ」と反発しています。また、バイデン大統領はこの件については、「ノーコメントだ」として、言及を控えています。今回の起訴で、2024年の大統領選の共和党候補への出馬を決めているトランプ氏にとっては、相当強い逆風になるとみられます。先週同共和党候補への出馬を正式に宣言した前副大統領のペンス氏でさえ、暗にトランプ氏の行為を批判していました。「仮に有罪判決となった場合、罪状次第で収監もしくは公職に就く資格の剥奪などにつながる可能性を意味する」(ブルームバーグ)とのことです。
ウクライナのゼレンスキー大統領は10日、ロシアに対する地上で反転攻勢を開始したことを強く示唆していました。ゼレンスキー氏は訪問したカナダのトルドー首相との共同記者会見で、「ウクライナで反転攻勢と防御が行われている」と指摘し、「規模についてはコメントしない。司令官らとは連絡を取り合っている。みな前向きな雰囲気だ」と述べています。一方ロシアのプーチン大統領は、「ウクライナによる全ての試みは、これまでのところ失敗している」と主張しています。またプーチン氏はベラルーシのルカシェンコ氏と会い、ロシアの戦術核兵器のベラルーシへの配備について、「7月7日か8日に保管施設を完成させたあとただちに核の配備を開始する」と、核施設の配備が順調に進んでいることに言及しています。
本日のドル円は138円80銭~139円80銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は139円台前半で始まったが、その後139円台半ばまで上昇。FOMCとCPI発表を控え動きは緩慢。(イメージ写真提供:123RF)
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2023-06-12 09:45