【深センIPO】ターボ用ケーシング製造の無錫錫南科技が14日に公募開始、2500万株発行予定

深セン証券取引所の科創板への上場を目指す、無錫錫南科技(301170/深セン)が6月14日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2500万株を発行予定で、公募価格は34元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
同社は2005年設立の民営企業で、20年に株式会社化した。自動車の軽量化に寄与するアルミ合金部品の研究開発、製造、販売を主業務とする。主な製品はターボチャージャー用精密圧縮機ケーシングで、新エネルギー自動車向けのモーターケーシング、変速機ケーシングなどの精密部品も手掛けている。ギャレット、カミンズ、IHI、BMTS、ボルグワーナーなどの世界の著名なエンジン部品メーカーと良好な提携関係を築いており、ダイムラー、アウディ、BMW、GM、フォルクスワーゲン、トヨタ、ホンダ、日産などのブランド車のエンジンに同社の製品が利用されている。
22年12月期の売上構成は、精密圧縮機ケーシングが98.95%となっている。地域別では、中国国内向けが40.61%、国外向けが59.39%となっている。20年時点では国内向けが約6割を占めていたが、2年の間に比率が逆転した。国外向けでは欧州と北米地域が多くなっており、アジアや南米地域にも輸出されている。世界のターボチャージャー販売量と同社のターボチャージャーケーシング販売量から推算した、22年の世界市場シェアは15.38%で、業界をリードする地位を保っている。
同社は大手メーカーを数多く顧客に持っていること、金型の設計開発、アルミニウム液の精錬処理、低圧通増技術、自動化組立技術などさまざまな技術で業界をリードしていること、大規模な生産能力を確保していること、サービス体制、品質管理体制が充実していることを強みとする一方で、さらなる業務拡張に向けて資金面と人材面の不足が課題となっていた。
22年12月期の売上高は8億7455万元(前期比15.18%増)、純利益は9162万元(同14.44%増)。23年1〜3月期の売上高は2億4200万元(前年同期比22.24%増)、純利益は2082万元(同50.09%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
深セン証券取引所の科創板への上場を目指す、無錫錫南科技(301170/深セン)が6月14日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2500万株を発行予定で、公募価格は34元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。(イメージ写真提供:123RF)
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2023-06-13 22:00