ニット・アパレルの徳永佳集団、２３年３月期は大幅な減収減益に

　中国のニット生地・アパレルメーカーの徳永佳集団（００３２１／香港）が６月１６日、２０２３年３月期通期の決算を発表し、減収減益となったことを明らかにした。 　２３年３月期通期の売上高は６０億５８７５万香港ドルで、前期の８０億４３１７万ドルから２４．６７％減少した。事業別では、ニット生地・綿糸・既製服の製造が４２億９６６９万ドル（前期比２２．４９％減）、カジュアル服・アクセサリーの小売・卸売が１７億６０９４万ドル（同２９．４４％減）。 　新型コロナの大流行が収束したものの、利上げやインフレにより経済が疲弊しており、小売市場のニーズが低迷し消費者の消費意欲も低下する中、紡織事業では売上、売上総利益率いずれも減少した。小売・卸売事業では、中国大陸の自営店舗のうち２６．９％にあたる２６７店舗を閉店する一方、オンライン販売や代理店販売、フランチャイズ経営へのシフトを加速させることで経営コスト削減に取り組んだ。また、香港では新型コロナの収束と越境観光の回復に伴って売上高と売上総利益率がそれぞれ前期比で増加した。 　当期の純利益は６３１０万ドルで、前期の１億８６７０万ドルから６６．２０％の大幅な減少となった。売上高が約２０億ドル減少したことが大きく響いた。また、当期では火災事故によって生じた在庫の損失に対する賠償収入を約１億ドル計上しており、この分を差し引いた税引前純損益は３０００万ドルの赤字となる。さらに、前期は火災事故による在庫の損失を１億６２００万ドル計上しているため、火災事故の影響を除いた当期の純利益は前期に比べて３億９０００万ドル減少したことになる。（編集担当：今関忠馬）（イメージ写真提供：１２３ＲＦ）